Episode VII――Finale!――

Episode VII-1

 ――広いディスクに数多くのコムペーパーが広がっており、市場しじょうの数値が次々と変化していた。その中のプライベート用の紙にこんなメールが流れてきた。

《親愛なる お父様へ。

 マルダードは例の施設へ丁重にお送りました。

         あなたの娘 セリカーディ・A・イズヴェランツェより》

 それを読んだ後、指でピンッと弾いて削除した。

 受話器を上げて役所に繋げた。

「ああそうだ、私だ。マルダードの貴族地位剥奪を頼む。……ああ、その通りだ。あいつは今頃、汚泥の中で前妻とよろしくやっているよ。では近いうちにまた」

 受話器を置くと、周りのコムペーパー全てにチェックを入れ、的確な支持をペン入力した。

 もう一通のプライベートメールが届いた。宛名もなにもない。

《そちらで休暇を過ごしていたケニー・ドナルドに国家反逆罪が適用され、死刑が確定。明日執行予定。よって卿の所にいるトゥルマレディの入隊の件は白紙とする》

 それも指で跳ね飛ばして削除した。

「これでようやく、イズヴェランツェ家の汚点は消えてくれた」

 コーヒーを一口飲むと、一安心を味わった。

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