Episode V-2
セリカーディのお世話を終えた夜。
自室に戻り机に座ると、写真立てを見つめた。公園でのあのキスを隠し撮りされたものだ。セリカーディからそれを聞かされたときは、気を失いそうになったけど「いい思い出でしょ」ということでプレゼントされた。
「学校に晒されていたと知ったときは本当に恥ずかしかったけど、プロテクトがかかってて撮影できなくなっていたと聞いたときは、ほっとしたな。よかったぁ、ディアメイドで一人部屋になってて」
――初めて出逢って、いきなりキスをされて、いつの間にか虜になって。
唇にそっと触れると、胸の奥がきゅんと切なく、そして嬉しくなる。
「どうしてこんな気持ちになるんだろ。……私は、セルクスのことを本当はどう想っているのだろう」
――あの時の私は、どう想っていたんだろう。
千年も生きているトゥルマレディと、人生を歩むなんて本当に出来るのか。いざ戦いになった時、本当に覚悟を決められるのか。何よりも、あの美しく愛おしい笑顔を守れるのか。
「んー」大きく背伸びをして「明日は決闘。とにかくもう休まなきゃ」とメガネを置く。
メイド服を脱ぎ、スポーツブラを外した。膨らみを撫で上げ形を確認する。相変わらず乳首は陥没したままだけど、クーパー靭帯はまだ大丈夫だ。垂れないように、掌を合わせて肘を広げ、エクササイズを行うのが日課だった。
「胸元に力入れて、一、ニ……十。次に左脇に持っていって力入れて、一、ニ……十。次に右脇に持っていって力入れて一、ニ……十」
続いてスキンケアクリームを塗って、おっぱいの斜め下から中央へ軽めに揺らしたり、真上に揺らしたり上げたりなどのマッサージをした。
「ふう。よし」
たまにはおしゃれしたいなと思いながら、就寝用ブラに付け替えた。この屋敷に来る前はこのまま寝ても形が崩れないので気にしなかったが、マリアに油断すると怖いことになると言われ、就寝用を買ったのだ。
お気に入りの薄いブルーのネグリジェに着替えて、ベッドについた。
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