第15話 ハードロックな宇宙戦 (2)
2 グラシャラボラスによるバールゼブルへの救援
……Rainbow “Kill the King” (ライブ盤)
大量破壊兵器施設は破壊しましたが、強化外殻を失ったバールゼブルの小惑星と護衛艦艇に、“剣の王”の母星と機動艦隊が襲いかかります。グラシャラボラス艦隊は彼女を救援すべく、戦場に急行します。
“Over the Rainbow”では回想場面。強烈な放射線と輝く星間ガスでいっぱいの、溶岩の塊と化した惑星の残骸が漂う宙域に並ぶ2つの可動惑星は、荒廃した皇帝領を再建すべく
本来の容姿や性格からすると、素直な感情表現が苦手な小柄で長い髪の少女と、犬の垂れ耳のようなツインテを下げた元気そうな少女がよいかと思います。某アイドルアニメに出てくるコンビと似ているかもしれませんが、美少女作品の増えた現在ではもはやテンプレなので、できればと……(笑)。
曲の始まりと共に、近隣宙域で待機していたグラシャラボラス艦隊が映されます。遠征艦隊と言っても銀河間戦争なので、巨大なボーグスフィアのような小惑星を中心に大小無数の戦闘艦が並ぶ壮麗な情景。各艦は高出力のプラズマエンジンを輝かせ、加速しながら次々と超空間に突入します。その映像と重なりつつ入れ替わりに浮かぶのは、最愛の友好種族を助けたいという熱情に瞳を燃やし、
グラシャラボラスはイヌ系なので、忠実で情熱的です(笑)。艦艇は種族ごとに色々な個性を持たせ、たとえばグラシャラボラスなら銀色の曲線的形状で、葉巻型の船体から犬の脚のような8本の駆動兼兵装区画が、前部と後部の上下左右に張り出していたりすると面白いと思います。
戦場で必死の防戦を繰り広げるバールゼブルと、超空間で襲いかかる迎撃部隊を排除しながら懸命にそこへたどり着こうとするグラシャラボラス。
普通に考えると、超空間があったとしても、『ノウン・スペース』シリーズ(L.ニーヴン)のように、人間の視覚では認識できないのかもしれません。しかしここでは映像を分かりやすくするため、『伝説巨神イデオン』(ああっトシが![笑])のように、漆黒か白色の背景にオーロラのような光が躍る不思議空間となり、そこでは激しい戦闘場面と厳しい表情の少女達のイメージ画像が交錯します。
キーボード・ギターソロのところでは、戦闘のために動力をさかれ、一時的に通常空間に降りざるを得なくなったグラシャラボラス艦隊の戦い。前衛の中小艦艇は様々な色のビーム砲や誘導弾で殴り合いのような戦いを行うが、その脇をすり抜けて戦闘機同士のドッグファイトも開始される。撃破されたと思ったら実は
狂おしいギターソロに合わせて多数の戦闘機が乱舞し、懐かしきマクロスの『板野サーカス』のような、ミリセカンド・バトルが展開されます。こんなものを長時間作ったら、製作者も視聴者も血管がキレてしまうかもしれませんが……(笑)。
艦隊戦は優勢に進み、味方艦艇は敵大型艦への攻撃に移っていきます。するとそこに、空中戦に勝利した戦闘機部隊も殺到します。性能が低い無人機は戦艦の遠隔素粒子操作兵器によって爆発していくが、グラシャラボラスの有人機は統一力場障壁も備えているので、防御を突破して誘導弾を撃ち込み、大型艦を次々と破壊します。
最後の場面では、やっと戦場に到着したグラシャラボラス艦隊が
中枢種族中最高位の親衛艦隊司令官〝剣の王〟の可動惑星は、〝炎の王〟と戦略兵器施設を撃破された怒りに燃えて戦い、ついにはバールゼブルの小惑星を体当たり(!)で破壊しようとします。しかしグラシャラボラスの可動小惑星は、間一髪で敵母星を射程圏内に捉え、トールハンマーのような主砲を撃って、これを破壊します。
……この戦いは先進種族同士の最終決戦なので死闘でしたが、以後はもう少しユルい戦闘場面の妄想(笑)となります。
キナ臭いご時世なのでどうかとも思いましたが、架空と割り切って書きました。米国の軍事シミュレーション小説などにも、影響を受けたかもしれません。あちらはもっとリアルで、国際関係など他の勉強にもなり、面白いので沢山読みました。勇ましい空想だけなら私のようなヘタレでもできますが(苦笑)、やはり攻撃欲はフィクションなどで発散し、現実の国際問題はもっとみんなで地道で冷静に、合理的・建設的な解決が図れたらいいなと思います。
天使な悪魔 ❤ の文明論 平 一 @tairahajime
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