第14話 ハードロックな宇宙戦 (1)
懐かしのハードロックを聞きながら危なっかしいダンベル運動をして(笑)いると、『Lucifer』世界の宇宙戦闘場面を想像します。異星人の量子頭脳や分離個体が可動惑星・小惑星、各種の艦艇や戦闘機に搭乗し、あるいは無人機を操作して繰り広げる戦いの場面です。
その合間には、地球人用に演出された映像、つまり量子人格の感情を示す美少女の表情が重ね合わせで浮かんだり、異星人の代わりに美少女達が戦闘機を操縦したりする場面が挟まれます。某アイドルアニメの劇中劇シリーズのような面白シュール感も備わった、中二病オタクの
惑星の移動は、小説『放浪惑星』のような超空間/亜空間跳躍と重力/慣性制御だけでも、SF的には可能でしょう。しかし、移動感を出すなら噴射炎を輝かせる反動推進機関も使えそうです。子供の頃に見た映画『妖星ゴラス』が、印象に残っているせいでしょうか(笑)。しかし、今考えると、惑星表面に設置したのでは地殻が歪んだり大気が変わったりして、大変なことになりそうです。そこで、周辺空間に力場で固定した彗星のような反動エンジンを併用すれば、『レンズマン』シリーズのような可動惑星同士の戦い(!)が、映像的に表現しやすくなるかもしれません。
昔作られた、同様の“HEAVY METAL”というアニメは成功しなかったそうですし、アニメでも実写作品でも、宇宙戦闘のBGMにはオーケストラなどが用いられることが多いかもしれません。でもやはり、ハードSF的なメカや技術と熱血ロボットアニメ的ドラマの相互補完・相乗効果が期待できるので、宇宙艦隊戦にもハードロックが使えるのではないでしょうか。
1 バールゼブルによる超新星兵器施設への攻撃
……Deep Purple “Burn” (スタジオ盤)
始めは内戦勃発直後、先帝を案じて皇帝領に入ったバールゼブル艦隊が、超空間駆動と超新星兵器で襲ってきた中枢種族ザフィエルの艦隊を返り討ちにした戦いです。
バールゼブルが退却先の荒廃星系を自らの超新星兵器で爆破したことを知り、驚くザフィエル。爆発の影響でズレた超空間跳躍の到着先には、グラシャラボラスの支艦隊が待ち受けて投降を呼び掛けます。しかし結局ザフィエルは彼女を攻撃し、統一力場障壁の自動反撃を受けて爆散します。
以後はアンドロメダ銀河遠征におけるストラス分遣艦隊、特にバールゼブルの攻撃艦隊の活躍です。中枢種族は超新星兵器の大量使用による中核領域の破壊と、それに乗じた反撃・闘争を企んでいることが判明しました。ストラス達はウリエル……もとい、“炎の王”が運営する生産・備蓄施設への奇襲攻撃により、旧皇帝領の悲劇の再現を防ごうとします。
“You know we had no time……”の部分では、猫コウモリとフクロウ蛇とペガサスのような、サタンとアモンとアドラメレクの分離個体が映ります。しかし、地球人の姿に変換された後は、心配そうな表情でストラス艦隊に出動を求める、栗色ボブと黒髪ショートと金髪の少女になります(笑)。
ギターソロのところでは、バールゼブルの小惑星を覆う強化外殻が分離して浮かび上がり、超空間誘導弾に作り直されていきます。互いを結ぶ超高張力ケーブル上や宇宙空間で、大小無数の
このあたりの情景は、昔読んだ『スカイラーク・シリーズ』(E.E.スミス)に影響を受けていると思います。
続いてアミーとヴォラクの偵察艦隊です。両端が紫色に光る数本の棒を、中央部で立体的に交差させた形の偵察用
キーボードソロでは、司令官ストラスの放送用アバドンが活躍します。虹色に輝く鏡面に包まれた球体がまず一つ超空間から出現し、『銀英伝』のヴェスターラント報道のように、銀河系の歴史から中枢種族の悪行までを放送します。するとその後に敵艦隊が現れて、激しい攻撃の末にこれを破壊します。
しかし、今度はもっと多数の球体が超空間に飛び込んでは各所に出現し、敵部隊を混乱させます。アンドロメダ銀河の映像には、放送アバドンの出現とそれを破壊する敵艦隊の様子が、緑色と黄色の光点で示されます。
そのうち、ある瞬間にバールゼブル艦隊を示す青色の光点と赤色の点の間に空白の回廊ができると、紫色に輝く曲線でなぞられます。多彩な光が変化しながら流れてバールゼブルの意識を示す、量子頭脳の巨大スクリーンの光景に、決然とした表情で顔を上げる少女の映像が重なります。
バールゼブル艦隊は超空間を突進しつつ、誘導弾を次々と周辺星域の防衛拠点に撃ち込んで無力化してゆき、最後に残りの全弾を、目標である超新星兵器の生産・備蓄施設に向けて発射します。青色超巨星を囲むダイソン・リングの内側を回る多数の巨大兵器や設備に、外側から現れた誘導弾が準光速で衝突し、そこに含まれる大量の反物質を恒星に叩き込んで、極超新星に変えます。
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