第55話 魔王「呪いの力で自然を育てましょう?」

女勇者「お前なら…今すぐここに一杯木が生やせるだって?」

女勇者「はっ! 嘘つ…」

神官妹「待って…今は魔王…様に何がなんでも観光業を成功してもらって」

神官妹「商売を軌道に乗ってもらって、商人の借金を普通に返済できる状況にして、穏便な…極めて穏便な状況を作るのが先決よ…」

神官妹(と言うか…あのムカつく商人の鼻を明かしたいって個人的な感情もあるけどね…)

神官妹(本当にムカつくわ…商人や姫派のやつらは…)

神官妹(何の苦労もしてないのに…利権だけ私たちからかっさらおうとして…)

神官妹(今に見てなさい…!)

女勇者「…? 神官妹?」

神官妹「は…!」

神官妹「…コホン」

神官妹「とにかくそう言う事だから…この幼女に何が出来るか分かりませんが…」

神官妹「頭ごなしに否定せず、聞くだけ聞いてみましょう」

女勇者「まあ…そうだな」

神官妹「で…この草木一本無い、安らぎのリザクレーション的な雰囲気皆無な魔界の荒れ果ての地を」

神官妹「どうやったら、観光業に向いてる癒し溢れる緑豊かな空間に今すぐ出来るのかしら?」

神官妹「期待はしないけど、聞いてあげる事はしてあげるわ」

神官妹「私に感謝して、お前の案とやらを言ってみなさい、幼女」

呪族の幼女「なんでそんなうえからめせん(目線)でいえるのじゃ;」

呪族の幼女「まあいい、おまえのためじゃなく、ゆうしゃのためにやるのじゃからな」

神官妹「なんなのこの幼女! せっかくカスに頭を下げてやったのに生意気な言いようね!」

呪族の幼女「いつあたまをさげた…;」

魔法使い「子供に何をやってるだお前ら! この子供が何なのか知らんが…あまり子供を苛めるな!」なでなで。

呪族の幼女「わらわはこどもじゃないっ! あたまをなでるなっ! なでていいのはゆうしゃだけじゃ!」

魔法使い「ふふふ…気にするな///」なでなで。

呪族の幼女「やめろー!」

エルフ兵士「ま、魔法使い様;」

魔王「み、皆さん…あのーちょっと良いですか?」

女勇者「何だよ?」

魔王「あ、いえ…私の魔界観光業の計画に協力してくれるのはありがたいですが…」

魔王「そ、そんなに急がなくても良いんじゃ無いですか?」

一同「え?」

魔王「えっと…そんなに急いでやる必要も無いし」

魔王「木が育つのに10年20年以上の年月が必要なら、別に気長にやっていけば良いと思うのですが…」

女勇者「えーと…あのさ?」

魔王「はい?」

女勇者「借金って何か分かってる?」

魔王「えーと借りたお金を返せば良いんですよね?」

女勇者「…いつ返すの?」

魔王「…」

魔王「いつ返す、とは?」

女勇者「ちょっと一旦会話待って」

魔王「はあ…?」

女勇者「どーすんのやっぱり商人騙された事分かってないよ?」ヒソヒソ。

女勇者「お金儲けて早く借金返さなきゃ、お前が頑張って作ろうとしてる物取られるよって、これって言うべき?」ヒソヒソ。

神官妹「駄目よ! 醜い事も見せても邪神が復活するって創造神が!」ヒソヒソ。

神官妹「こんなえげつない大人の世界なんて見せてはいけませんわ!」ヒソヒソ。

女勇者「だよなぁ…でも早くやらないといけない事を理解してないのもやりにくくね?」ヒソヒソ。

女勇者「そこら辺はどうするの?」ヒソヒソ。

神官姉「いっそ商人と姫を殺してしまえば…」ヒソヒソ。

神官妹「ばっ! 荒事を見せては駄目なのよ!? そんな方法本末転倒じゃない!」ヒソヒソ。

神官妹「馬鹿の癖に口出さないでよ…!」ヒソヒソ。

女勇者「いや…暗殺して魔王に知られず秘密裏に処理すれば良いんじゃないのか?」ヒソヒソ。

神官妹「…! それなら…良いかも知れないわね…でも」ヒソヒソ。

女勇者「でも…?」ヒソヒソ。

神官妹「やっぱり殺すのは最終手段にしましょう。どこから…魔王の耳に入るか分からないわ」ヒソヒソ。

神官妹「とりあえずは魔界の観光業を成功させて」ヒソヒソ。

神官妹「月の借金の返済額を余裕で払えるようにする感じに穏便に事を進めましょう」ヒソヒソ。

女勇者「まあ…お前がそう言うならそれで良いけど」

女勇者(…しかし、あの創造神の言葉…)

女勇者(醜い事や荒事を見せると邪神に乗っ取られるって理屈らしいけど)

女勇者(そんな事、呪族の王女や魔法使いの勝負以外でも結構無かったか…?)

女勇者(戦魔将軍と一応戦ったりもしてたけど、そんな感じにはなって無かったよな?)

女勇者(たまたまかも知れないけど…何か引っ掛かるな…)

神官妹「勇者聞いてるの?」ヒソヒソ。

女勇者「ん? ああ聞いてるよ…でも急いでやる意味とかどうするの?」ヒソヒソ。

神官妹「それは…」ヒソヒソ。

魔王「あのー皆さん、何を話してるんですか?」

一同「!」

神官妹「え、えーと…何でもありませんわ」

神官妹「それより!」

魔王「は、はい?」

神官妹「魔王様、失礼ながら商売が少し分かってないかと思いますわ」

魔王「え? そ、そうでしょうか?」

神官妹「はい! 先程気長にやると魔王様は言いましたよね?」

魔王「え? あ、そうですね…」

神官妹「魔王様商売をやる限りその考えはいけませんわ!」

魔王「そ、そうなのですか?」

神官妹「そうです、何故なら時は金なりですから!」

魔王「時は金なり?」

神官妹「はい! 時は金なりです!」

神官妹「良いですか? この魔界観光業はまだ誰もやってないから、大きな儲けが出ると見込めるのです」

神官妹「当然ですよね、ライバルがいないのですから」

神官妹「ですが魔王様がのんびりやっていたら」

神官妹「この観光業計画を他に思い付かれて先を越されてしまう可用性があります」

神官妹「だからこの計画は急いでやらなければいけないのです!」

魔王「な、なるほど! そこら辺は全然気づきませんでした…」

神官妹「お分かりいただけましたか?」

魔王「はい、ありがとうございます! 神官妹さん!」

神官妹「いえいえ」

神官妹「と言う事でとっとと木を生やせグズ幼女!」

呪族の幼女「おまえな…;」

呪族の幼女「まあいい…じゃあゆうしゃ」

女勇者「? 何だ」

呪族の幼女「わらわのちから(力)のたまを渡せ」

女勇者「力の玉? これの事か?」

呪族の幼女「そうじゃ」

女勇者「は? ばーか出来るか、また力を取り戻して悪さする気だろ」

呪族の幼女「あんしんせい、そのふういん(封印)はとけぬから、それはもうあきらめた」

女勇者「は? 信用できないし、それに封印が解けないなら渡したって力なんか使えないじゃん」

女勇者「おかしいところ多すぎ~、お前嘘ついてんだろ? ばーかばーか騙されるか!」

呪族の幼女「ついとらんて…そのたまをもてば、すこしはちからがつかえるから…」

呪族の幼女「ええい! もうよい! そんなにうたがうならおまえがもっていればいいじゃろ!」

女勇者「アタシが持ったままでどうやって力を使うんだよ」

呪族の幼女「ならわたさんか!」

女勇者「やだ」

呪族の幼女「…; はあ…たまをもっているおまえと、にくたいてきせっしょく…」

女勇者「に、肉体的接触!? や、やっぱりアタシにまた変な事をする気だな…この変態幼女!///」

呪族の幼女「てをつなげばいいだけじゃ! へんなごかいをするなっ!」

女勇者「な、なんだ…まあそれなら」

呪族の幼女「じゃあつなぐぞ」

女勇者「う、うん」ぎゅ。

女勇者「で、一体どんな方法で木を生やすんだ」

呪族の幼女「ノロイのちからじゃ」

女勇者「ちょっと待て」

呪族の幼女「なんじゃ」

女勇者「呪いの力って…」

呪族の幼女「なんじゃ、ふつごうでもあるのか?」

女勇者「そりゃ…」

神官妹「そんな力で生やしたら、そこら

辺に生えている魔界のおどろおどろしい植物になってしまうのでは?」

魔王「え? それじゃ意味がありませんよ!」

呪族の幼女「おまえら、ノロイのちからをかんちがいしてないか?」

女勇者「勘違い?」

神官姉「…?」

神官妹「どう意味かしら?」

呪族の幼女「ノロイというちからを、わるいほうこうにかんがえすぎじゃ、ということじゃ」

女勇者「悪い方向? 呪いなんて悪くてなんぼだろ?」

呪族の幼女「それがへんけんだというのじゃ」

呪族の幼女「いいか? ノロイとはこんぽんてき(根本的)に、なにがなんでも、そのけっか(結果)にしてやろうというちからなのだ」

呪族の幼女「だからうまくコントロールすれば、なにがなんでもキレイなクサキを、はやすこともできるちからなのじゃ…」

魔法使い「なるほど…気持ちの持ちようと言うやつか…」

魔法使い「呪いで相手を絶対殺すの殺すの部分を、絶対美しい草木を生やすに代える、と言う感じなのだな…」

呪族の幼女「そのとおりじゃ…まあみておれ」

呪族の幼女「むむむ…にくい…にくいぞおっ!」

呪族の幼女「わらわのちからとおんなをうばったクソまおう…!」

魔王「え、僕!?」

呪族の幼女「ぜったいに………ゆるさん!」

呪族の幼女「ゆるさんから、キレイなクサキをはやしてやる!」

呪族の幼女「いっぱい、いっぱいはやしてやるやるっ…!」

呪族の幼女「わがウラミおもいしれっ!」

女勇者(怨んで木を生やすとか…まあ場所によってはスゲー嫌がらせにもなりそうだけど…何か変だな、やっぱ)

呪族の幼女「むむむむ………」

呪族の幼女「ハアアアァァァーーーっっっ!!」

一同「…!」

女勇者「おお…!」

神官妹「凄い! 本当に生えてきたっ!」

神官姉「はー…」

魔法使い「これは凄い…エルフでもこんな植物の育て方は知らんぞ…」

エルフ兵士「…本当ですね…この子供は一体」

魔王「あの子は呪族の王女ですよ」

魔法使い「何っ! あの伝説の呪いの一族の…? 生き残りがいたのか…」

エルフ兵士「お、驚きですね」

魔法使い「呪術らしき物を使うのでもしやと思っていたが…なるほど」

魔法使い「しかしこの調子なら、私たちの陽光石と合わして、自然をこの荒れ地に維持する事は出来そうだな」

魔法使い「良かったな魔王」

魔王「は、はいありがとうございます」

魔法使い「では私たちは必要数の陽光石を作りにエルフの村に戻ろうと思う、では」

魔王「は、はい何から何までありがとうございます!」

女勇者「まーとりあえずこれでプランは決まったな」

神官妹「ですわね…これなら早急に設備を作れて、観光業を始められそうだから…当面の問題は大丈夫そうね」

魔王「皆さんも本当にありがとうございます」

魔王「でも最近何か妙に優しいですね皆さん!」

女勇者「え!? いや~まあそりゃな…」

神官妹「わ、私たち魔王様の平和な国造りに感銘を受け、て是非ともお手伝いしたいと思っただけですわ。ほほほ」

魔王「ほ! 本当ですか皆さん!?」

魔王「僕の考え方にまで賛同してくれるなんて……本当に嬉しいです!」

神官妹「と、当然ですわ…何たって私たち平和を愛する正義の元勇者パーティーですもの~」

女勇者(こいつ…よくこんな次から次へと口から出任せを出せるもんだな…感心するわ)

女勇者「ま~いいや、とりあえず次ぎは何をするんだ?」

神官妹「そうですわね~植物を生やすのは、魔法使いの陽光石が無いと生やしても維持出来なそうですし…」

神官妹「観光業用の設備建物はほとんど完成してるし…」

神官妹「後はアレの確認だけさておきましょうかね」

神官妹「それが一番厄介何ですけど…」

女勇者「厄介って何だそれは」

神官妹「言わないと分からないの? そんなの決まってるじゃない…それは」

参謀「魔王様」

魔王「あ、はい参謀さん一体どうしましたか?」

女勇者(参謀…! いつの間に…)

神官妹(何の用かしら?)

参謀「はい、魔王城に王国の姫様がご到着しました。何でも前に会う約束をしてたとか…」

魔王「王国の姫様が…!?」

神官妹「…!」

女勇者「ひ、姫が…?」

神官妹(く…アレを確認する前に来てしまったか)

神官妹(アレ…借金はどんな条件で契約したのか…それだけ知りたかったんだけど…)

神官妹(く…仕方ないわね)

魔王「分かりました…早速魔王城に戻りましょう」

参謀「お願いします」

魔王(王国のお姫様…一体どんな人だろう…)


続く

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