第42話 魔王「妖精界のエルフ?」
魔王「その陽光石とは何ですか?」
参謀「陽光石と魔界と人間界のはざにある妖精界に住むエルフが持つ魔法技術の一つで」
参謀「その石は常に春のような穏やかな光を放ち、妖精界の豊かな植物を育む源になっていると聞いた事が御座います」
女勇者(妖精界…エルフって…)
魔王「そ、そんな便利な石があるのですか?」
魔王「それは魔界では作れないのですか?」
参謀「創造神がエルフのみに作れることを許した技術と聞いているので、私たち魔族はおろか、人間にも無理でしょう」
魔王「となると…その便利な石を貰うにはエルフさんから貰うしか無いですね」
参謀「それは…」
女勇者「そりゃ無理だろ」
魔王「勇者さん、それはどうしてですか?」
女勇者「知らないのか? 妖精界は魔界と人間界の間にあったせいで、魔王軍が人間界に攻めこむために最初に攻めこんだ世界なんだぜ」
女勇者「前魔王はてっとり早く人間界に侵攻するために、妖精界にいるエルフのほとんどを、子供女容赦なく虐殺したんたぞ」
魔王「な、何ですって…」
女勇者「人間もかなり酷い虐殺をされたけど、エルフはそれ以上って聞いてるからなー」
魔王「…」
女勇者「大量の魚をさばいてる時みたいに、モノみたいに流れ作業で殺されてたって言ってたしなーあいつ」
魔王「あいつ…勇者さんはそのエルフの事を知っているのですか?」
女勇者「ん? ああ魔王討伐の時に一緒に旅してたからな、元はうちのパーティーの魔法使い」
女勇者「子供の仇を取るんだってマジになってやってたっけ…ウケる」
魔王「子供…! その人は子供を父上に殺されたのですか?」
女勇者「え? だからそうだって…」
魔王「何と言う事でしょう…これは魔界観光どころの話ではありません」
魔王「そのようなご迷惑をかけたなら、魔王として一度妖精界に出向いて謝罪をしなければいけません」
魔王「参謀さん、何故その事を教えてくれなかったのですか!?」
参謀「申し訳ございません魔王様」
参謀「エルフは戦後魔界との接触は完全に拒絶し、領土に近づけば容赦なく攻撃してくるので、話をする状態では無かったので…」
魔王「そ、そんな状態になっているのですか…確かに謝罪は難しそうですね。うーん」
女勇者「ばーかエルフなんてほっとけって」
魔王「え?」
神官妹「そうですわ、戦後、エルフは魔族は一匹残らず処刑にするべきと断固言い続けてましたからねぇ」
魔王「ほ、本当ですか!?」
女勇者「そーそー、んな事したら儲からな…可哀想だって言ってアタシら人間がエルフを抑えたから、魔界や魔族は戦後存続出来たんだぞ?」
魔王「そ、そうだったんですか、それはありがとうございました」
女勇者「おー感謝しろ感謝しろー」
魔王「ははは…;」
魔王「…でもだからってこのままではいけませんよね…。」
魔王「やはり一度妖精界におもむき、エルフさんたちに謝罪をしましょう」
新官姉「魔王…ちゃん、偉い」パチパチ。
魔王「はは…」
女勇者「は? 馬鹿かお前は…行っても殺される…」
女勇者(ん? って言うか殺された方が良いんだから、エルフに会わせるのも手かも知れないぞ?)
女勇者(もしかしたら…エルフならこの魔王を殺せるアタシらの知らない手段を知っているかも知れないしな…)
魔王「そうですよね…いきなり殺されてしまっては謝罪も出来ない」
魔王「ここは何度も書を送り相手の怒りをまず和らげる努力から…」
女勇者「…殺されるかも知れないけど、特別にアタシが会ってくれるようにしてやるよ」
魔王「え? ほ、本当ですか勇者さん!」
女勇者「ああ、言ったろエルフの中に元アタシの仲間がいるんだ」
女勇者「そいつに頼めばたぶん大丈夫だろ」
魔王「そ、そうか…あ、ありがとうございます勇者さん!」
女勇者「気にするなよ、アタシら友達だろ?」
魔王「男と男の友情って奴ですね!」
女勇者「…」ガン!
魔王「…い、いきなり聖剣で叩いてきてど、どうしました勇者さん…?」
神官妹「でも女勇者、魔法使いとは確か…」
魔王「え?」
女勇者「しっ! 良いんだよそれは…」ヒソヒソ。
神官妹「え?」
女勇者「だから…あいつ凄い魔族恨んでるからさ………だろ?」ヒソヒソ。
神官妹「あ~~~」
魔王「あの何か問題でも?」
神官妹「いいえ、私の勘違いでしたわ…さあ妖精界に行きましょう」
魔王「は、はあ」
魔王「では妖精界に行くメンバーですが…」
戦魔将軍「儂が往くでござ…!」
魔王「スリープクラウド」
戦魔将軍「んごごご」バタ。
魔族っ子「きゃー! お父さん!?」
魔族っ子幼「おとーさんねんねねんね! きゃはは!」
女勇者(何か最近戦魔将軍の扱いが酷いような気がするけど…)
神官妹(まあどうでも良いですわ)
魔王「すみません魔族っ子さん、どう考えても戦魔将軍さんは連れていくのには合わないし、また話が長引くとあれなので眠って頂きました」
魔族っ子「あ…」
魔王「流石に戦士系だけあって、魔法は効きやすい…」
魔族っ子「…」
魔王「? 魔族っ子さん?」
魔族っ子「あ、は、はい、何でしょうか魔王様…」
魔王「ぼーっとしてどうかしましたか?」
魔族っ子「あ、い、いえ、その…何でもありません」ヨソヨソ。
魔王「?」
魔王「えっと…戦魔将軍さんが目を覚ましたら、とりあえず街の回りの地を植物が育ちやすいように耕して下さいと言っておいてくれませんか?」
魔族っ子「かしこまりました…」
魔王(何か魔族っ子さん近頃余所余所しいな…はて何かしたでしょうか)
魔王(記憶にありませんが、まあ…何かしてしまったかも知れないので後で謝っておきますか…)
魔族っ子(魔王様…あの時言った言葉は本当なのかしら)
魔族っ子(魔族も人間も───するって…)
魔王「では改めて妖精界に行くメンバーですが、女勇者さんは案内役として確定として、後は誰を…」
戦魔将軍「儂ぃ!」
魔王「…!」ビク
戦魔将軍「んごごご…」
魔王「ね、寝てますよね…びっくりした…」
魔族っ子幼「きゃはは! おもしろーい!」
魔王「えーと改めての改めて、参謀さんは一緒に行きませんか?」
参謀「ついていきたいのはやまやまですが…私のような魔族らしい魔族が行くのは、相手を刺激するだけかと」
魔王「そ、そうですよね…じゃあ呪族の王女…」
呪族の幼女「わらわはいかんぞ…」
魔王「え!?」
呪族の幼女「ひろったほんをよむので、いそがしいのぢゃ」
呪族の幼女「というか、おんなゆうちゃとふたりでいけばよかろう」
魔王「で、でも魔族全滅させるって言ってる人たちのところに行くのは、魔族一人だけだと心細くて…」
呪族の幼女「じゃあなんで、せんまをねむらしたんじゃ;」
魔王「うう…でも戦魔将軍さんじゃ完全にエルフさんを刺激してしまうと思って…」
呪族の幼女「まあそれはたしかにの…じゃがわらわもいくきはないぞ」
魔王「ど、どうしてもですか?」
呪族の幼女「くどい! それにわらわはおまえらまおーのかけいをうらんでいるのをわすれたか?」
呪族の幼女「そんなことをしてやるギリはない、それじゃあの」スタスタ。
魔王「呪族の王女様~」
呪族の幼女「ふん!」
魔王「うう…」
女勇者「まあアタシらもついてってやるからそんなにビビるなよ?」
神官妹「そうですわよ、何かあったら魔王様は必ず私たちがお守りしますのでご安心を」ニコ
魔王「み、皆さん…」
神官姉「魔王ちゃん…私も…」
神官妹「ふん!」
神官姉「!」
神官妹(姉は邪魔になるだけ…今回もここで抹殺よ…!)
神官妹「!」
神官姉「ふ、ふふ…」ガシ
神官妹「馬鹿な…止めただと!?」
神官姉「そう…何度も…同じ手は…くわ…ない!」ニヤ
神官妹「へ、へ~面白いじゃない…トロい癖に、ふふふ」ギリギリ。
神官姉「腹…黒…ふふふ」ギリギリ。
神官妹「ショタコン…ほほほ」ギリギリ。
神官姉「シニアコン…!」ギリギリ
神官姉・妹「…」ギリギリ。
神官姉・妹「ふふふ」ギリギリ。
神官姉・妹「!」ドカカッ! バッババッガッガガガッッッ!!!
魔王「ああ! 突然神官姉さんと妹さんが、神官ぽくない格闘技みたいな殴り合いを始めてしまいましたよ!?」
女勇者「ほっとけ、それよりそろそろ妖精界に行くぞ」
魔王「え、は、はい…」
女勇者「んだよ、まだビビってるのか? だから大丈夫だって…」
魔王「は、はいで、でも魔族一人はやはり心細くて…」
女勇者「だから大丈夫だって!」
女勇者(まーどうなろうと関係ないけど)
魔王「でも~勇者さん」
女勇者「な、泣くなよ…」
女勇者(あんだけ強いのに何を怖がる必要があるんだよ…こいつは…)
魔王「だって~!」ダキ
女勇者「! ば、ばかっ! 変なところに抱きつくなよ!///」
魔王「男同士何だから良いじゃ無いですか!」
女勇者「…#」ボカ!
魔王「? 勇者さん、頭に手をそえてどうしましたか」
女勇者「うるせーしねっ!」
魔王「そ、そんな勇者さん見捨てないでくださいよっ!」
女勇者「わっ! だ、だから変なところにしがみつくなって///」
魔王「勇者さんー! 勇者さんー!」グリグリ
女勇者「ばっ! そんなところぐりぐりするな!!!///」ボカボカ!
???「へっ情けねー魔王だなっ!」
女勇者「ん?」
魔王「え?」
魔王「き、君たちは…」
魔族子供1「おうよ! 魔族子供改魔族子供1だ!」
魔族子供2「2」
魔族子供3「3です」
魔族子供♀「魔族子供♀だよぅ…ふええ」
魔族っ子幼「あたしもいるよっ!」
魔族子供1「俺たち魔族子供がついてってやるから安心しな!」
魔王「何ですって…!?」
続く
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