第11話 おじさんの年齢設定は難しい(1)ー理想(?)の不倫年齢


 やや見切り発車ながらお話の舞台が決まったら、やっとこキャラクターの設定です。書きたいのは「ダンディ既婚おじさまとの年の差恋物語」なので、まずはヒロインとおじさんの年齢を決めたいトコロ。


 第二話でも書きましたが、私が独断と偏見で定義する「おじさん」は、「若い側から見て十五から二十歳ほど年上の殿方」という相対的な条件を満たす存在です。

 職場で生まれる恋話ならば、ヒロイン側の年齢は十八歳以上。そして、第4話でぐちぐち書いたとおり、おじさんとの恋に必須である「東京で一人暮らし」ができるのは四大卒の社会人に限られるため、ヒロインの年齢はさらに上がって二二歳以上になります。


 となると、おじさんの年齢の範囲は取りあえず二二プラス十五で「三七歳以上」ということになりますか……。



 厚生労働省の「人口動態統計」によると、現時点で三七歳前後の人々がアラサーだった頃すなわち平成二一年から二六年(2009-2014年)の殿方の平均初婚年齢は三〇.七歳です。

 「おじさん」が三一歳で結婚し、その翌年に子供に恵まれたと仮定すると、彼が三七歳の時、彼の子供は五歳になっています。帰宅して家の扉を開けたら「パパ〜」と嬉しそうに駆け寄ってくるお年頃です。三九歳になる頃、子供は小学一年生。ピカピカのランドセルを背負う姿はさぞ可愛らしいことでしょう。


 そんな幼子がいるにも関わらずよその女にを抜かすおじさんキャラって、どうですかね。


 そりゃあ実際そういうクソ男はこの世にいくらでもいるわけですが、すでに「クソ男」と書いている時点で、「三十代後半の既婚男」という設定は、私的には絶対ボツ。いくら顔良し頭良し経済力良しのハイスペックであろうとも、可愛い我が子より若いオンナを優先するような奴はおじさんの風上にも置けぬ。

 せめて、子供が中学に上がって親をうっとうしく思う年齢になるまでは、家族第一主義で過ごしていただきたい。三二歳で第一子に恵まれたなら四五、六歳まで、二歳差で二人目の子供に恵まれたなら四七、八歳になるまでは、浮気だの不倫だの言っていないでひたすら子煩悩パパをやっていて欲しいと思うのです。


 現在四七歳になる人々がアラサー年代だったのは平成十五年(2003年)前後ですが、この当時の殿方の平均初婚年齢は二九.四歳です。これを考慮に入れて修正すると全体的に一歳少々若返りますので、「二人の子持ちダンディ既婚おじさん」がヒロインと不適切な関係に至る時の年齢は四十六歳以上、というのが私的には望ましいという計算結果になります。

 あ、もちろん、二次元の、しかも話ですので、リアルの世界を生きる殿方におかれましては決して誤解されることのありませんよう! 


 「子供なし」の設定にすればこの面倒くさい縛りはなくなりますが、うちのおじさんには父性的な優しさでヒロインの心を掴んでもらわなければならないので、やはり「父親」という立場は経験しておいてほしいなあ。



 恋愛モノで「四十代後半以上」という年齢設定は、需要の面ではほぼアウトであろうとは思います。しかし、やはり己のポリシーと趣味は譲れません。妄想は需要より強し。

 ちなみに私自身は、「やや影があって、渋くてカッコ良くて、無口なのに優しくて、物知りで強くて、何があっても動じない、包容力のある人」というおじさん王子様の要件を満たす殿方キャラなら(いや別に影まではなくていいですが)、四十代後半どころか五十代後半でも一向にかまいませんです。実際、五十代後半でカッコイイおじさまはいらっしゃいますし(♡)。


 おじさんの年齢を四十代後半にするか五十代前半にするか五十代後半にするか、迷うなあ。


 ただまあ、そのう、「性描写あり」のタグを付ける前提で考えますと、「おじさんは何歳までそのテの行為を普通にできるのだろうか」という下世話な疑問は出てまいります。

 できることなら大々的に実地調査したいところですが、そういうわけにもいかないので、PCの頭がピンクになるのを覚悟でネット上でじっくり研究するか。

 いやいや、タグにこだわるからいけないのかも。ヒロインとおじさんが共に成人済みの設定だからプラトニックでは不自然だろうと決めつけていましたが、年齢差を思い切って三十五歳程度まで広げてみたら、「大人の女性のつもりで一生懸命背伸びする二十代前半のヒロイン」と「ヒロインをひたすら子供のように大事にするばかりの五十代後半の渋カッコイイおじさん」というギャップ大の組み合わせでプラトニック不倫が成立するかもしれない。それはそれで好みかも……♡



 ……なんてしょうもない妄想に入りそうになった時、ふと、うちのおじさんには自衛官ならではの制約があることに気が付きました。



 

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