第9話 はるか昔…それは16年前

じつは私のダイエット、今回が初めてではない。

それは16年前に遡る……。

当時もおっさんだが、今よりはずっと若いおっさんだった。

そういえばあの時もオリンピックイヤーだったわけだ。(べつに関係ないけど)


あの時も仕事でつまづいて(まぁ、多いんだけどねトホホ)、

でも、それ以上にプライベートで大きな事件があって、

もうどうするかなって状態で、

知り合いに誘われたのキッカケでサッカーを始めたんだな。


サッカー自体は子供のころから好きだったけど、

たまたまそれまでやる機会や環境がなくて、

部活では陸上やってたからっていうのもあって、

フットサルブームに乗っかるようなことで、

知り合いが所属しているチームの練習に連れて行ってもらった。


やってみたらまぁ、動けない、動けない。笑

不摂生とはこういうものかと嫌というほど思い知らされた。

(なんか今話も文体がおかしいな。「です・ます」じゃないが…回想だから)


そこでなんかスイッチが入ってしまったんだな。

そん時は走ったり、夜中に近所(つっても片道3kmくらい離れてる)の公園行って、

ひとりでシュート練習したりドリブル練習したり。

そこわりと有名なハッテン場らしくて、(その時は知らなかった)

夜中に練習してたら照明もない暗い中を人影がゆっくり近づいてきたことがあって。

てっきり「一緒に練習しましょう」とか「シュート勝負して負けたらジュース奢りね」とか言われる、

マズいな、へたくそなおっさんなんだからそっとしといてくれよって心穏やかでなかったんだけど、

「あのう…そうですよね?」

とか言ってくるわけ。

「そう?」「何が?」

心の中で自問するけど、そういう対決とか、何をトチ狂ったかスカウトかな、とか、

舞い上がっちゃってるわけだから考えてもわからない。

そもそも向こうの態度もおずおずとしてどこか落ち着かない。

とてもじゃないが勝負を挑むような決意も威圧感もないわけだ。

すっかり困って、

「すみません、こそ練してるだけなんで…」

つって「これでなんとか断れたかな」とか思ってたら、向こうも、

「あ、そうですか」

つって、別に残念がるわけでもなければ、思いのほかあっさりと踵を返したので、

なんとなく拍子抜けした記憶があって。

後日その話を知り合いにしたら、

「アンタ、あそこハッテン場だから誘いに来たのよ。あそこグラウンドの周囲の緑の茂みとか、夜行くといっぱいいるの、知らなかったの?」

って驚かれちゃって。

あぁ、俺はホ○たちの好奇の視線に晒されてアホみたいにボール蹴ってたのか、

というようなことも今となってはよい思い出のひとつ。


第10話に続く……

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