第7話 使用前

労働争議と半ば嫌がらせから始まった俺のダイエットは、

言ってみれば権利主張も示威行為も伴わないハンスト、

あるいは断食行為のようなものである。(世界的に限りなく無意味)

これまでにグダグダ書いたようなことの心の動きや、

行為そのものも誰も知らないからである。


これは一歩間違えると大変に危険な行為でもあるので、

良い子の読者はけっしてマネをしないで欲しい。

いま「マネ」とあるが、これは印象派の高名な画家ではなく、

あるいはあまりにお金が欲しくてついミスタイプした「マネ」でもない。

行為の模倣という意味の「マネ」である。

「真似」とすればよかっただけの話なのであるが、

なんとなくカナ打ちにしてしまって、

少し不自然な気がしたのでフォローした。


このようなことを書いている時点で、

ははん、筆者は今回、書くことがないのだな、

などとカンのいい読者は嘲笑うかもしれないがけっしてそうではない。

当初は前回の定義において切り分けしたこと、

たとえば自律神経・内分泌・免疫バランスなどを例に、

滔々と述べるつもりでいたのであるが、

急に気が変わってそれをやめて、

スタート時にどんな「状態」だったかを述べることにしたため、

思考が少し混乱しているだけだ。

それほどヒトとは微妙な生き物なのであるから、

読者も軽はずみな態度で他人を傷つけるようなことは、

けっしてしないでいてもらいたい。


で、私の命を賭けた決死のダイエットが、

自然の流れでなんとなくスタートした時、

私の身体は、だいたい、


身長:177cm

体重:80kg

体脂肪率:27%


くらいであった。

なぜに「だいたい」「くらい」なのか?

かりにも「ダイエット」をタイトルに冠しておきながらスタート時数値が曖昧とは何事か!

そもそも重複言い回しの駄文じゃないか!

そのような読者のご指摘や怒りはもっともなところである。

私が読者なら、この時点で開いたページをそっと閉じて、

以後、二度とこの本を開くことはないであろう。


これがデジタル文章であって製本された書籍ではないことを差し引いても、

私はあえてこの危険を犯すという暴挙に出た。

なぜか?

わからなかったのである。笑

記したようにそもそもがきっかけとなる事象の始まりが有耶無耶であり、

メンタルにおいてもいつ大きな変化が起きたかを特定することは不可能だ。

口喧嘩になって「何月何日何時何分何秒」攻撃を受けたら、

ただの一句も返す言葉がないのである。


本来ならSNS全盛のこの時世に、

「○○RTで××を△△回やります」宣言や、

開始時の「わたしこんなポッコリお腹でした」画像のひとつもアップして、しかるべきであろう。

それもなしにダイエットについて語るとは。藁


だが、ない袖は振れないが座右の銘である私が記している以上、

したがって読者も多少の不満・不便は我慢してみる度量を、

少しくらいは見せてほしいものである。

それがネットリテラシー云々と喧(かまびす)しい現代に対する、

真に人間らしい成熟したアンチテーゼの示し方ではないだろうか?


というわけで前記の数値。

まぁ、言うまでもなくぽっちゃりである。

お腹にたっぷり、内臓脂肪もたっぷり。

やりたいように飲み食いして運動もしなければこうなりますよ、の見本。

立派な生活習慣病ハイリスク体型といえる。


第8話に続く……?

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