#06
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「オマエよお!」
「きゃ」
「何だってアイツと寝てんだよ!その前にとっとと殺っちまえばよかったじゃねえか!」
「何よ、そうなってもアンタ、クローゼットで息潜めてたくせに」
「うっせえ!そうしたら計画が破綻するじゃねえか!」
「丸腰で油断させるためには仕方ないじゃない!それに本当にアンタじゃないか確かめるためにも」
「クソが!その話はもういい!それよりコイツ、本当に死んでんだろな?」
「心臓一突きだからね」
「にしても…ほんとコイツ、オレそっくりだな…ドッペルゲンガーってヤツかもな」
「なあに、そんなモノ信じてんの?いるわけないじゃんそんなの」
「出会ってしまったら自分は死んでしまうヤツだ、知ってるくせに信じてないのか?」
「知ってはいるけどさ、信じられるわけないじゃない。
じゃあアンタはサンタを信じてるのかって話よ。
それに、『出会ってしまったら自分は死んでしまう』だって?
そんな定義が有ったらみんな企むでしょうよ、逆にドッペル殺しを」
「当たり前だよ、だから逆にコイツはこうやってオレらに利用されて殺されたんだ」
「これからどうするか決めた?」
「おう、取り敢えず逃げる…かな」
「何の計画性もないわね…お金はちゃんと用意できたの?」
「ああ、上限一杯な。まあ本人はこうやって自宅で死んでるから返す必要はねえ。
そしてオレは高飛びする…ぎひひ、最高の計画だぜ」
「アンタ本当に短絡的発想よね…」
「なんだと?オレがコイツを街で見かけた時から色々と作戦を練ったことにケチつけんのか!?」
「アタシがいなきゃ始まらなかったでしょうが、何度かアイツのそばをアタシ達カップルで近づいて…」
「コイツもそっくりなヤツがいるもんだと思ったろうぜ」
「で、ある日コイツをアンタと間違えて抱きついてやった。初めはすごいビックリしてたねえ。
アタシも頑張ったもんだ。馬鹿女になりきって間違えたふりでかなりなついてやったなあ。
そしたらコイツ、あんたになりきっちゃうんだもん、笑っちゃうよね」
「だからってよ、この部屋に連れ込むなんて…」
「人聞き悪いわね、アンタの部屋なんだから連れ込まれたのはアタシの方よ」
「ふざけんな!コイツにとっては初めて来た部屋だし!」
「初めてでも何でもコイツはアンタに成り済ましてアタシを部屋にあげたのよ!」
「けど、実質連れ込んだのはオマエだろうが!オマエが誘導しなけりゃココにコイツは来れねえ!」
「油断させろって言ったのはアンタでしょ!」
「…チッ」
「…いい加減にしようよ」
「そうだ、もうこんな時間だ…」
「変装道具とかお金は?」
「そこのバッグの中にある」
「じゃ、そろそろ…」
『ピンポーン』
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