第3話
エクス達は吸血鬼を探して町を出て、カーミラから聞いた吸血鬼が出没するという森へ入った。
入ってすぐに大きな木がある。
木にもたれかかるように男の人が苦しそうに唸っている。
よく見るとお腹を誰かに攻撃されたようで、怪我をしている。
「ちょっと、あそこで怪我しているのってまさか……」
木にもたれかかっている人に、レイナは指をさす。
「どっからどう見ても吸血鬼ですね」
シェインのツッコミが入る。
そう。男の人を再びよく見ると犬歯が普通の人間と比べると大きい、耳も尖っているのだ。
見た人、すべてが吸血鬼と言うだろう。
「とりあえず手当てだ!!」
エクスの焦った声が辺り一面、響く。
「面倒臭さいことになりそうじゃねーか」
おいおい、とタオが呟く。
「厄介なのがきたぜ」
メガヴィランと共にヴィランたちが押し寄せてきた。
タオの言葉にエクス、レイナ、シェインは面倒くさそうな顔をする。
「タイミング最悪ですね」
シェインの言葉にエクスは同意をする。
「片づけるのが先よ!!」
レイナの言葉にエクス、タオ、シェインが戦闘態勢に入る。
ーーーーーーーーーー
◆
レイナが吸血鬼に回復魔法をかける。
「…………んっ……」
吸血鬼がゆっくりと目を開ける。
「君たちが助けてくれたのか?ありがとう」
(あれ?案外いい人そう……)
エクス達が同じことを思った。
「だれにやられたの?」
レイナが吸血鬼に聞く。
「いやぁ、それがな、全くわからんのだ」
ははは、と吸血鬼が軽やかに豪快に笑う。
「危険な気が全くないな」
タオが苦笑いで突っ込む。
「あ、でもカーミラ様のために死んでもらいますって言われたな」
「メアリーじゃないか!!」
思い出したように吸血鬼が放った一言に、タオが盛大に突っ込む。
「メアリー?そんな奴、カーミラの傍に居ないはずだ」
「え?カーミラのお世話係よ?」
「カーミラは天涯孤独になり、私に襲われる運命なのだ。メアリーなんて者は存在していない」
(じゃぁ、今回のカオステラーはメアリー?)
吸血鬼『カーミラ』の想区 月華 @hana1997
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