第3話

エクス達は吸血鬼を探して町を出て、カーミラから聞いた吸血鬼が出没するという森へ入った。

入ってすぐに大きな木がある。

木にもたれかかるように男の人が苦しそうに唸っている。

よく見るとお腹を誰かに攻撃されたようで、怪我をしている。


「ちょっと、あそこで怪我しているのってまさか……」


木にもたれかかっている人に、レイナは指をさす。


「どっからどう見ても吸血鬼ですね」


シェインのツッコミが入る。

そう。男の人を再びよく見ると犬歯が普通の人間と比べると大きい、耳も尖っているのだ。

見た人、すべてが吸血鬼と言うだろう。


「とりあえず手当てだ!!」


エクスの焦った声が辺り一面、響く。


「面倒臭さいことになりそうじゃねーか」


おいおい、とタオが呟く。


「厄介なのがきたぜ」


メガヴィランと共にヴィランたちが押し寄せてきた。

タオの言葉にエクス、レイナ、シェインは面倒くさそうな顔をする。


「タイミング最悪ですね」


シェインの言葉にエクスは同意をする。


「片づけるのが先よ!!」


レイナの言葉にエクス、タオ、シェインが戦闘態勢に入る。






ーーーーーーーーーー







レイナが吸血鬼に回復魔法をかける。


「…………んっ……」


吸血鬼がゆっくりと目を開ける。


「君たちが助けてくれたのか?ありがとう」


(あれ?案外いい人そう……)


エクス達が同じことを思った。


「だれにやられたの?」


レイナが吸血鬼に聞く。


「いやぁ、それがな、全くわからんのだ」


ははは、と吸血鬼が軽やかに豪快に笑う。


「危険な気が全くないな」


タオが苦笑いで突っ込む。


「あ、でもカーミラ様のために死んでもらいますって言われたな」


「メアリーじゃないか!!」


思い出したように吸血鬼が放った一言に、タオが盛大に突っ込む。


「メアリー?そんな奴、カーミラの傍に居ないはずだ」


「え?カーミラのお世話係よ?」


「カーミラは天涯孤独になり、私に襲われる運命なのだ。メアリーなんて者は存在していない」


(じゃぁ、今回のカオステラーはメアリー?)




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吸血鬼『カーミラ』の想区 月華 @hana1997

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