第24話 ショタと女王
「やぁ、待たせたね
爽やかな笑顔でシズシズが手を挙げながら近づいてくる。
「なによ!あの態度、公然わいせつ罪?ってなに?アタシ消えますけどなにか?」
白いワンピースの乱子…こうしてみてりゃ、すげー美人…なのに…真っ赤な下着がモロ透け。
あれさえなければ…ビジュアル100点、中身1点、それが乱子だ。
…………。
「なるほど…性的悪戯によるストレスからってとこかな」
シズシズが推測を口にする
「ストレス?」
乱子が眉をしかめる。
「なんで?ナースのお姉さんに手ほどきされてストレス?」
「う~ん…そこがなんか違う様な…なんで、そのナースに嫌がらせするんだろう?」
僕が言うと
「好きな子に意地悪したくなる心理!」
シズシズの頭をスパーンと乱子が無言で叩く。
「ありがとうございます」
シズシズが気を付けの姿勢で乱子に、お礼を述べ、ラメの入った赤いハイヒールのつま先に、ひざまずきキスをする。
「アタシの出番ね…」
乱子がスクッと立ち上がり、シズシズが床に四つん這いになる。
シズシズの背中に、グリグリ~ッとヒールのかかとを、ねじ込むように体重をかける。
「くぅーっ…ありがたき幸せ!」
(もう一回捕まればいい…)
僕は心の底からそう思った。
乱子が服を脱ぎ始める…。
「視てるわ…アタシの身体を舐めまわすように視てるわ…見たいんでしょ、ねぇ…」
手足を骨折した通りすがりの患者にクネリクネリとイヤらしく近づく乱子。
徐々に身体が透けていく…。
「でも…ダメ…このショーツの中は…見せられないの…」
そう言いながら、ショーツに指をかけ…ツツッーと脱いでいく…。
絶妙なタイミングで透明化する乱子。
(お見事…)
「我慢した、ご・ほ・う・び」
そう言って、患者の頭に真っ赤なショーツをファサッと落とす。
「頼んだぞ…乱子、上手く説得してくれよ」
「オホホホホホ…美少年なのよね!
「あっ…こっちだったか…」
なんせ姿が視えないからやりにくい…だが、今回は頼れる。
背中が頼もしい…はずだ、視えないけど。
「ところで
「……それは…看護婦が次にドアの開錠するタイミングで、一緒に入って…危ないからやめろって…」
バシーン!
ケツを蹴られた…、いい角度でローが入ってきた。
「すいませんでした…止めさせる術に関しては無計画でした…すいませんでした」
「
「シズシズ…黙っていてくれ」
「そこからね!アタシ冷めてきたから…服とってちょうだい、あっパンティが無いわ!」
「パンティ…マズイぞ!ここで戻るのはマズイ!また捕まる…1日に2度捕まるのは嫌だ!」
シズシズが、うろたえる。
「あっ!パンティ持ってる…ほらっ」
僕が紫のパンティをうっすら透けてる乱子に渡す。
乱子がパンティを履きながら…
「
「なにをだ!」
「シズ!ドアを壊しなさい!」
「喜んで!」
シズシズが半透明の胸を揉みだした。
「あぁ~女王様…幸せです…僕は幸せです…あぁあぁあああぁぁぁぁぁ…」
「いい感じ…よ…そうやさしく…そして、ん…そう…ときに強く…いいわ~…」
「引くわぁ…」
紫のパンティが宙を浮遊し…前屈みの男が手をニギニギしながらドアに近づく…。
「引くわぁ…」
シュールコントだ。
ゴトッ…ドアが重い音を立てる…ゴトゴト!バタン!
ドアが外れた…。
(うん…また警察だ…器物破損…不法侵入…公然わいせつ…あとなんだろう…)
「んまぁ…美少年…」
乱子の興奮した声が廊下に木霊する。
(よし…いまのうちに他人のふりだ)
僕は、後方へ全力で前進した…。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます