第2話剣士との出会い

「ん?ねぇあそこ、誰かいない?」

そう言ったのは先ほどジャックとコネクトしていたエクスだった。

「本当だわ、って、あれは」

「ジムさんとシルバーさんですね、はて、その傍にいるのは誰なんでしょうか?」

レイナとシェインがそれに応じる。

「ま、取り敢えず行ってみようぜ。」

「え、ちょっとタオ!?もう、また勝手なことして!!」

「僕たちも行こうか。」

そう、先行する形になったタオを追いかける一行。


「はぁ、はぁ、はぁ。いきなり走るだなんて、どういう了見してんだあんたは!!」

「ごちゃごちゃうるせぇな、あいつらを撒けたんだからいいだろうがよ。」

「よかないよ!?全く、追いつくまでにどれだけ苦労したかと思って―」

「はいはい二人ともそこまでにして?」

言い合いを始めたジョンとサムを宥めるジム。

「だけどこれじゃ宝さがしどころじゃないね・・・」

「うん・・・」

やや意気消沈している空気を切り裂くように青年の声が聞こえる

「よっ相変わらず変わらないな。」

「兄ちゃん、また来たのか」

そう青年とジョンが話し始めるのを疑問に思ったのかサムが問う。

「え、ジョン、この人たちと知り合いなの?」

「まぁ、昔色々とあってな。」

「それでシルバー、こいつは?」

「・・・人に名前を聞くときには、まず自分から名乗るものじゃないの?」

「そうだよタオ、いくら何でも失礼だよ。」

そう言う少年は自ら自己紹介をする。

「僕はエクスっていうんだ。君は?」

「サム。サムっていうんだ、よろしく」

そう握手を交わすエクスとサム。

「で、そこのお嬢さんたちは?」

「レイナよ」

「シェインです。で、こっちがタオ兄です。」

と、次々に自己紹介を終わらせる

「それで、なんで君たちはここに?」

「・・・今さっき、化け物に襲われてね。撒いてきたところなのだけど・・・貴方たちこそ、どうしてここに?」

「あぁ、実は―」

「サム、奴らだ」

何時の間にか周りを取り囲んでいた化け物―ヴィラン達。

「ちっ、退路を完全に遮断されたか、もう、戦うしかないみたいね」

そう言いながら刀を構えるサム。

「全員まとめてサメの餌にしてやろうか?」

そういい大剣を構えるジョン

「またすぐそういうこと言う・・・」

と、ジョンの発言に呆れながら弓矢を構えるジム

「私たちも行くわよ!!」

そう言って片手杖ステッキを構えるレイナ

レイナの呼びかけに応じ両手杖ロッドを構えるシェインに盾とハンマーを構えるタオ、そして片手剣ナイフを構えるエクス。


「ぜぇりゃ!!」

雷の力を伴ったサムの剣による一閃でヴィラン達が蹴散らされていく。

「遅いですよ。」

「隙あり!!」

サムの撃ち漏らしを捉えるシェインの雷の魔弾、そのシェインを敵の攻撃から守りつつハンマーでたたきつぶすタオ。

「はぁっ」

「えい!!」

獣型のヴィランを切り裂くエクスに幽霊型のヴィランを仕留めるレイナ。

「どけ」

「今だ!!」

ハンマーを持ったヴィランを倒すジョンと、羽根で飛行しているヴィランを仕留めるジム。

勝負は幕を閉じた。


「それにしても、なんでこんなに化け物だらけなのやら。」

呆れたようにサムが呟く。

それには特に触れずにレイナがサムにとあることを聞く。

「ねぇ、貴方の「運命の書」って、もしかして何も書かれていない「空白の書」なんじゃない?」

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