運命《さだめ》を切り裂く紺碧の雷刀

@reijikuru

第1話もう一つの宝島

「宝までもうすぐだね」

そう語り、一番に船を降りたのは宿屋の息子、ジムだった。

「ここまで長かったもんね。それにしても、お宝、か・・・」

そう言いながら後に続くように船を降りたのは、橙色を基調とした服に身を包み、片方の目に眼帯をしている一人の少年、サムという少年だった。

少年の背中にはその背丈に見合うくらいの剣があることから、少年の得物は剣であると見受けられる

「?ねぇ、他の奴ら、なんで船を降りないんだろう。」

「え?きっと疲れているんじゃないのかな。」

「いや、それにしては静かすぎるような・・・」

そう二人が話していると

「おうお前ら、無事だったか。」

何やら慌てた様子で船を降りたのは、ジョンだった。

「え、「無事だったか」って、何かあったの?」

「何かあったどころの騒ぎじゃねぇ、とにかくここから離れ―」

「クルルゥ・・」

ジョンを追いかけるようにして船から降りてきたのは、船員、ではなく名状しがたい怪物だった。

「な!?なんだよ、あれ!!」

サムが剣を抜きながら応戦しようとするがジョンがそれを止める

「いいから走るぞ、坊主もそれでいいな?」

「え、う、うん。」

勝手に話をまとめるジョンとジム。

「はぁ!?あ、ちょ、だぁもう、分かったよ、あいつらを撒けばいいんでしょ!?」

先に走っていってしまった二人を追いかけるようにサムも走り出した


ちょうどその頃、とある四人組がこの「宝島の想区」にやって来た

「またこの想区に来ることになるとはな」

そう話すのは自称「タオファミリーの大将」であるタオである

「ねぇレイナ、本当にここにカオステラーが?」

そう青を基調にした衣装に身を包んだ少年―エクスが赤を基調とした衣装に身を包んだ少女―レイナを問いただす

「えぇ、そのはずよ」

「だったら急がないといけませんね」

と、レイナの答えを受けて発言するのはオレンジ色を基調とした衣装に身を包んだ少女―シェインだ。

「な、いきなりヴィランたちのお出ましかよ!?」

「早速、ね。みんな、いくわよ!!」

そう呼びかけ、真っ先に「導きの栞」をセットし、ヒーローとコネクトするレイナ。

「がってん、しょうちです」

「おうともよ。」

「了解。」

そうして次々とヒーローとコネクトする一行。

そこからはレイナたちの独壇場だった。

エクスの剣舞、シェインの弓術、タオのディフェンス、そして、レイナの支援。

「小さいからって、嘗めちゃいけないよ!!」

「私、結構強いのよ?」

「最後の懺悔は終わりましたか?」

「レディの嗜み、教えてあげる。」

最後に四人がスキルを使用し、戦いはあっけなく幕を閉じた。


「あ、視てください。あの船、どっかで見覚えありませんか?」

コネクトを解除しそう言ったのはシェインだ。

「あの船、確かジムたちの・・・?」

「ってことはここは宝島の想区なわけか」

「それにしてはなんか静かね・・・」

と、それぞれエクス、タオ、レイナが口を開く。

「うーん、ここが宝島なら、ジムたちはこの後フリントの洞窟に行くんだよね?」

「えぇ、そのはずよ」

「なら、当面の目的地は決まりましたね」

「あぁ、行こうぜ。」

そうして「調律の巫女」ご一行は、フリントの洞窟まで行くことになりました。

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