052「 妖精さん、50億匹の人間に宣戦布告済みだった」


シルバーは、小さな頭を両手で抱えて考えた。

考えるに考えた。

この世界が超巨大スペースコロニーで、中心部が太陽で、なぜか空気が燃えずに漂っていてる。

自分の視点では、脳味噌が煮え返るくらい考えたっ!その結果!


「プラチナとっ!エルフィンとっ!イチャイチャしよう!」


『おいこらwwwww』

『現実逃避すんなwwwwww』


「考えても答え出そうにないし、その内、良い答えが出るだろ、たぶん」


『世界の真実を知った後に、この反応とかダメだわ!?』

『普通、ゲームの主人公とかなら、世界の真実を知って悩むだろ!?もっと悩もうぜ!』


「お前らが考えてくれ。

俺一人が考えるより、皆が悩んだ方が良いし」


『俺らでも解決できないよ!?』

『超科学の産物をどうやって修理すればいいお……』


「考えても答えが出ないなら、放置して嫁とイチャイチャする方が大切だと思うんだ……!

技術的な問題は、ドワーフに見せれば大丈夫だよ」


『うむ……沈みかけの船に乗っているも同然なのに、その態度は凄いな……』

『妖精さんが自暴自棄になっているお……』

『ミカドワたんに全部放り投げる気かwwwww』


「ドワーフだから、きっと……全部、三日でやってくれるはずさ」


そう言うと、シルバーは自分が住んでいる村がある方角へと飛んだ、ビューン。


『ドワーフさん達が過労死しちゃう……?』

『駄目だ……この妖精。ネットにしか友達がいない状態だ……』

『主要キャラが、嫁二人と妖精さんの合計3人とかひでぇ……』





~~~~~~


あまり時間をかけずに、ショタ妖精は村へと到着した。

なぜか、プラチナと主力部隊の姿がいない。

オッパイが大きいエルフィンが、慌てて屋敷から出て、お出迎えしてくれただけだ。


『妖精さんwwww軍隊はアンタが吹き飛ばしただろwwww』

『プラチナたんも爆風でひっくり返っていたお』

『骸骨は徒歩で移動しているから遅いって事を忘れるなよwwww』


「あ、あの……シルバー様?

に、人間の討伐が、もう終わったのですか?」


エルフィンは、いつもと同じ緑色のドレスを着ていて、支配者の早すぎる帰還に動揺しているようだ。

シルバーは、三秒ほど考える。

戦の内容は2秒ほどで纏める事ができた。


「ああ、うん。

人間(ハムスターマン)はダイナマイトで吹き飛ばした」2秒で考えから内容も2行だった。


「あぅ?」


「1万匹くらい居た奴らを、全部殺した。

以上、おしまい。

プラチナも時間が経てば帰ってくると思う。

美味しい飯でも用意してやってくれ」


エルフィンの顔が、驚愕で引きつった。

その様子が、とっても愛らしくて、心が癒される。

シルバーは、こんなに素敵な娘が、自分の嫁とか最高だなぁと、誇らしげになった。

この幸せな人生が長続きする事を、心の中でそっと祈るばかりだ。


『エルフィンたんが、不安そうにオドオドしていて可愛いお』

『なんて酷い妖精さんだ。大量虐殺やった事に、全く罪悪感を抱いてないぞ……』


「ぜ、全部殺したって本当なのですか……」


エルフィンは恐る恐る、問いかけてくる。

シルバーは、特に何も考えずに頷いて、そして――


「ああ、そうだ。

このスペースコロニー……じゃなかった。この世界から、全ての人間(ハムスターマン)を駆除しようと思う。

勿論、豚人間も皆殺しにする」


「か、過去にやった政策をまた実行するのですか!?」


「うん、あいつらが居ると、この世界の残り寿命?がすごく短くなると思うから、可能な限り、この世から全部駆逐しようと思ったんだ」


「こ、この近辺だけでも50億匹ほどいるのですよ!?」


「じゃ、なおさら駆除しないと駄目だな」


「ど、どうやって50億匹も殺すつもりなのです?」


そのエルフ娘の問いに、シルバーは目と目を合わせて笑顔で答えた。


「友情(ネットの皆)と努力(ネット通販)かな……?」


「あ、あぅ?」


エルフ娘は、長い耳を下に垂らして、キチガイを見る目で、目の前のショタ妖精を見ている。

恐らく、今の彼女の心境は――


『客観的に見たら、妖精さんの発言が……一国で全世界と戦争するも同然のセリフな件』

『人口超少ないのにwwwwww億を遥かに超えるハムスターマンと戦うとかwww無謀すぎるwwww』


「や、やめて欲しいのです……。

絶対に勝てる訳がないのですよ……」


「いや、もう手遅れだよ、エルフィン」


「え?」


シルバーは西の方角を見て、残酷な事実を告げる。


「西にある人間の都市を、幾つも消滅させたから……あいつらは絶対、俺の事を許さないと思う。

俺だって向こうの立場だったら、激怒して報復するだろうし」


『妖精さんが周りを見ずに、豚人間とバトルした結果!』

『既に宣戦布告したも同然の状況になっている件!』




【内政チート】「全自動洗濯機を作って、家事を楽にしてチートする」 20世紀

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