048「 妖精さんと、世界最大の豪華客船と、巨大ビル」

絶対に負けられない。殺される訳にもいかない。

ここで勝たないと、嫁の人生が狂ってしまう。

金をほとんど使い切ったシルバーは、『とある秘策』のために、雄大な空を上昇しながら、貯金を増やそうと、高らかに叫んだ。


「皆ぁー!俺にっー!

皆の貯金をあずけてくれぇー!」


『返す気がないのに預けろだと!?』

『卿は何を考えているのだ!』

『無限のお金が湧き出るツボを持っていると思っているのか!恥を知れ!』


どこの軍人さんみたいな、酷い返答がネットから返ってきた。

ショタ妖精は絶望する。ここで貯金が増えないと、秘策どころじゃない。

時間を稼げずに、詰んで人生終わりだ。


(俺、みんなに嫌わているような行為をしたっけ?

え?なんで?プラチナとエルフィンの人生を守らないといけないのに、ふざけんな!)


瞬間的に、今までの人生が走馬灯のように思い出しそうになる寸前、今度は暖かいネットの皆の声が響いた。


『嘘だよ!金をくれてやるよ!ほい3万円!』

『べ、別にっ!妖精さんの裸体がエロかったとかっ!そんな理由で金を上げる訳じゃないんだからね!』

『うむ……今回は妖精さんが、エロ漫画っぽい格好だからな……よし1万円寄付しよう』

『キマシタわー!可愛いショタの裸とか最高ですのー!可愛いですわぁー!』


尋常じゃない勢いで、貯金の数字が増える、増える、増える。加速度的に、残高が増えまくる。

これで、まだまだ挑戦できる。

ひょっとしたら、ネット通販で購入できる物資で、高速で飛び回る豚人間を仕留める事ができるかもしれない。


「皆、ありがとう!

俺……嫁のためにっ!容赦なく散財するわ!」


一気に集まった金を、ネット通販に注ぎ込む。

青い画面で、廃棄された物件一覧を表示し、大きくて質量がありそうな物を探しながら――少しの時間を稼ぐために、豚人間に話しかけた。


「おいっー!豚ぁー!

人類のっ!偉大な英知をぶつけるからっ!

男ならっ!全部受け止めろよ!

受け止めたら、巨乳のエルフ娘を紹介してやるぞー!(あの世で)」



「ブヒィィィー!わかったブヒィー!

全部が終わったら、素敵な結婚初夜を体験させてやるブヒィー!

巨乳娘まで紹介してくれるとか最高ブヒィー!」


豚人間は完全に、小さな妖精シルバーを舐めきっている。

能力と高い知能を過信して、どんな攻撃にも対処できる、そう思い込んでいる。

シルバーは、心の中で笑いながら――ネット通販の購入ボタンを押す。ポチッとな


『舐めプ戦闘は死亡フラグですよ!豚さんっー!』

『妖精さんっー!だめぇー!それを使い捨てにしちゃ駄目なのぉー!』


「行くぞぉー!

造船技術の結晶体っ!

世界最大の豪華客船っ!ハーモニー・オブ・ザ・シーズ(廃船)だぁー!」


100万円のネットマネーが一気に消費され、空間に出現したのは――海の要塞と言っても良い超巨大豪華客船。

総客室数は2,706室にも及び、ミニゴルフ場や、シアターなどの娯楽施設を一通り揃えている。

ただし、廃船だから、船体のところどころが錆ついていて、とっても老朽化していた。


『約22万7000トンの船が、たったの100万円だと!?普通に、資源を購入するよりも安い!?』

『全長362メートルの船だ!パリのエッフェル塔より長いよ!これ!』


「ブヒィー!凄いブヒィー!

屈服のさせ甲斐があるブヒィー!チッパイを猛烈に吸いたいブヒィー!」


欲情した豚人間は、豪華客船目掛けて、空を情熱的に駆け抜ける。

シルバーはそれを見て、鼻で笑った。

『夢幻』といえど、こんな超巨大な質量に対処できる訳がない。そう確信できた。

だが、現実は皮肉な事に――豚人間が衝突した途端、豪華客船の窓という窓が割れて、船体がバラバラに砕け散る。

まるで見えない壁にぶつかったのような、壊れっぷりだ。


『うわぁぁぁぁぁぁ!!人類の英知がぁー!』

『なんて酷い浪費の仕方をするんだぁー!妖精さんっー!』

『鬼っ!悪魔!ショター!』


ネットの皆の罵倒。だが、シルバーは屈しない。

ここで諦めたら、お嫁さんたちは、豚のお嫁さんになる。

下にいる豚人間を、絶対に生きて返す訳にはいかない。躊躇なく残りの貯金を、ネット通販に注ぎ込み、次の巨大な質量を出現させる。


「これで終わりと思ったかぁー!

中東のオイルマネーの結晶!

世界最大の超高層ビルっー!ドバイのブルジュ・ハリファをくらえー」


場に――全高828.mの世界最大のビルが出現。

中東のオイルマネーの塊と言っても良い巨大質量が、地上へと向けて落下する。


『妖精さんっー!?中東のビルを使っちゃだめぇー!』

『コロニー落としだぁぁぁぁ!!豚人間が回避したら、地上が壊滅しちゃうよ!これぇー!』

『どこの国の領土だっけ?』


「ブヒィー!

とんでもない大きさブヒィー!

でも、俺の愛の力は偉大ぶひぃー!

チッパイっー!美少女ーっ!勝利ブヒィー!」


幸い、豚人間は世界最大のビルを見ても、全く臆せずに突撃してくれた。

シルバーは結果を見ずに、青い空をひたすら上昇する。

ショタ妖精の背後の空では――超巨大ビルが、粉みじんに砕かれ、小さな破片となって落下している。

そして、全くダメージを食らっていない豚人間の姿があった。

ビルと豪華客船の残骸は、地上にあった人間帝国の都市を効率よく潰し、その衝撃波は辺り一帯を駆け巡る。

細かく砕いても、質量が膨大すぎた。


「たまらん我が儘な妖精娘ブヒィー!

調教のし甲斐があるブヒィー!」


『妖精さんっー!後ろぉー!』

『豚さんがぁー!』


その警告は遅すぎた。豚人間は、瞬く間に、シルバーの隣を通り過ぎる。

ショタ妖精が、気づいた時には――履いていた短い茶色のズボンは、ビリビリに破られて、布切れと化していた。


「ブヒィィィー!エロいブヒィー!

太ももだけで、絶頂しそうブヒィー!」


ショタイらしい、若くて生々しい太ももが生公開。

辛うじて、黒いスポーツパンツだけが、男の象徴を隠している。そんなギリギリの状態だ。

豚人間は、欲望で醜い顔を染め上げ笑う。


「あと一枚ブヒィー!

楽しみブヒィー!たまらん美少女ブヒィー!

早く種付けしたいブヒィー!」


『男だとばれたら殺されますぞ!妖精さん!』

『逃げてぇー!』


ズボンを破壊された、そんな事実にも構わずに、シルバーは更に空を駆け上がる。

その先に勝利があると信じて、パンツ一枚だけの情けない格好で、空を飛んだ。


「もうやだっー!このエロ豚ー!」



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48話


世界最大の豪華客船(廃船  100万円


世界最大の超高層ビル(廃ビル 100万円


(´・ω・`)ショタが、服を次々と破られる小説。

きっと需要はない(確信



消費総額166万300 ⇒ 366万300円



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(´・ω・`)主人公が今まで購入したアイテムは、こっちに全部纏めた。

http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Neltuto_tuuhan/Aitemu.html



失業者をてっとり早く減らす内政チート「新田開発」

http://suliruku.blogspot.jp/2016/05/blog-post_24.html

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