025「妖精さん、成金になる」  

レイプ。それは卑劣な行い。魂の殺人。

普通のレイプ犯は、犯す対象が抵抗できないように、徹底的に暴力を振るってからレイプする。

あるいは、物量に任せて、集団でレイプする。

だって、そうしないと女性に抵抗されて危ないから。

男性のチン●の防御力は、露出したら、ほぼゼロに等しい。ちょっとした攻撃を受けただけで、とんでもない激痛を感じて、戦闘不能になる。

だからこそ、レイプ犯は、女性に後遺症が残ったり、死ぬレベルで過剰な暴行を加える。

だが、オッパイ族長は女性に優しすぎた。


「俺なしでっ!生活できないようにっ!徹底的に調教してや――ぶぴっ!?」


比較的、善良な方法で、レイプをやろうとしたが故に――オスとして死んだ。

シルバーの膝蹴りが、オッパイ族長の太くて柔らかいアームストロング砲に直撃する。股間に赤い花が咲き、男の象徴は無残にも潰れた。


「ブ……ピ……ィ……?」


「……もうやだ、この異世界」


『妖精さんは、とんでもないものを潰しました』

『太いチン●です』

『見ているだけで、オイラの股間が痛くなるお……』

『金的攻撃とかwwwwww』


オッパイ族長は、煮えたぎる溶岩に身体を突っ込んだかのような激痛の中でも、意識を保っていた。

精神が、肉の痛みを超越している。エロは偉大だった。


「な……なぜ……俺の……愛を……拒否する……ブヒィ……?」


「ふざけんな、レイプ魔は死ね」 『妖精さんがドSだお』


「きっと……後で後悔するブヒィ……俺の嫁に……ならなかった事を……」


「お前は負けたんだよ。

次は、豚に産まれるなよ」


「ブヒヒッ……まだ逆転する方法が……あるブヒィ……。

でも、止めておくブヒィ……俺は女性には……紳士なイケメンぶひぃ……。

夢幻の力に飲まれたら……きっと、妖精娘も……エルフィンちゃんも……犯し殺してしまうブヒィ……。

だから、このまま……おとなしく死んでやるブヒィ……」


『負け惜しみでござる』

『この状況でどうやって逆転する気だwwwwこの豚www』


「エルフィンちゃんの……おっきな……オッパイを……もっと……揉みたかった……」


意識を失うオッパイ族長。もう目覚める事はない。股間のアームストロング砲が壊れた時点で、生きる意味を失ったのだ。

シルバーは、時間をかけて、その巨体をどけて立ち上がり、地面に転がった火炎放射器を手に取る。

目の前で気絶している豚人間は、リアルロケットパンチができる稀有な豚なのだ。

きっと、色んな手を隠しているに違いない。今のうちに、確実に殺した方が良いと、シルバーは思った。


『女の子になった豚さん』

『キャンプファイヤー』

『豚は薫製にして出荷よー!』


発射口から、炎付きの燃料が飛び出て、気絶したオッパイ族長を焼く。肉を焦がす。

これが、オッパイ党最後の1匹だった。

族長のくせに、一番安全な後方にいて、戦うタイプの指導者だったようだ。

そこらへんが、息子のペロペロ族長と似ていた。

とんでもないレイプ魔だったが、女性に対する情熱は人一倍凄かった。


『オッパイを信仰する勇者に敬礼ー!』

『やり方が間違っていても、その信念に何一つ曇りはなかった!』

『あの世で、オッパイ揉んでがんばれお……』

『豚さん、頑張ったお』


「ああ……やっと……俺、勝利したんだ……」


『妖精さんっー!油断しちゃダメぇー!』

『豚の死体が可笑しいっー!』


よく見たら、オッパイ族長の死体から、無数の触手が生えていた。

だが、火が付いた燃料で焼かれているせいで、生える傍から細胞を破壊されて、まともに動く事ができていない。

どうやら、これが、オッパイ族長の奥の手という奴らしかった。

この炎の中でも行動できる時点で、とんでもない生物だと、誰にでも理解できる。


「えい」


シルバーは、燃料タンクを火炎放射器から外して、燃える触手と化したオッパイ族長にプレゼントした。

ガソリンが燃えて、大きな炎の玉となり、オッパイ族長は今度こそ、あの世へと行った。


「……心臓に悪くて辛い。

なんだよ、燃えても化け物になって行動できるとか、異常すぎるだろ……。

自分の言動くらい守って、あの世いけよ……オッパイ族長……」


今度こそ、本当に戦いに決着は付いた。



~~~~~~


全身に疲労感を感じたシルバーは地面に寝転がる。

一日中、手足を酷使したせいで、体が痛かった。

無駄に高機能な身体だったが、さすがに銃弾を3桁単位で撃ちまくると、両腕の筋肉が痙攣する。



「オワタ……」


『妖精さんは頑張ったお!』

『友情・努力の勝利だな!』


だが、本当の試練はここからだった。

男の人生は死ぬまで戦い、そういう言葉があるように、生き続ける限り、闘争の日々は終わらない。


「俺の貯金がおわった……異世界生活……どうしよう…」


『あっ……妖精さんがショボーン状態……?』

『今、何円だっけ?』

『さぁ?』


「残り……1円……うまい棒も買えないや……。

俺の異世界生活、もう終了かなぁ……?

皆、俺は何のために戦ったんだったけ……?」


『銀髪ロリのためだお!』

『はよ、ベットシーン、はよ』


「……俺、彼女を守りきれる自信がない……。

ネット通販なしで、豚人間と戦うなんて無理ゲーしゅぎる……。

燃やしてもチン●潰しても……化物になって復活とか……ありえない……」


ネットの皆は、何も言えなくなった。

シルバーは辛くて、幼い子供のように大泣きした。戦って短い安寧を得たが、もう銃弾一つすら買えない。


『まるで貯金を使い果たして老後を迎えた爺さんのようだ』

『絶望しちゃ駄目だお!銀髪ロリと風呂に入って、落ち着くんだお!』


「俺の人生……おわった……

うぅ……俺の価値、空飛べるだけの妖精に転落しちゃったよ……」


『女装すれば、可愛い男の娘としての価値があるお!』

『女装はよ!』

『縞々パンティーを履いてほしいお!』


「鬱だ……死のう……」


『生きる希望を失っちゃダメぇー!』

『うむ……私たちにもl、きっと何かができるはずだ……』


「パトラッシュ……君がいるところに俺は行くよ……」


『現実に戻ってこーい!』

『世界名作劇場を見てないと、わからんネタだぞ!』


このまま絶望の淵に心が沈み、そのまま一番底まで沈没しそうだった。

でも、シルバーは一人じゃない。

お金を稼ぐ方法だって――1つじゃない。


『まだ、方法があるお!』

『妖精さん!ネット口座の番号を教えてくれ!寄付するぞ!』


寄付。それはネット文化ならではの効率の良い集金方法だ。

世界中から金を集めれば、簡単に大金が集まる。

シルバーは、今まで隠していた秘策は、まさにこれだ。


(あ……この方法があるの、忘れてた……)


泣くのをやめたシルバーは、洞窟の壁に、石を使って、ネット口座の番号を書く。

そうすると――


『あっひゃー!皆っー!妖精さんに、ちょっとづつ寄付金を分けてくれぇー!お願いだぁー!』

『可愛い男の娘映像をを見せてくれたお礼だ、受け取り給え』

『見ろ!まるで寄付金がゴミのようだ!』

『お金をプレゼントするから、縞々パンティーをプラチナちゃんに履かして欲しいお』 


貯金の残高が、加速度的に、一気に増えて増えて増えて増えまくった。

塵も積もれば山となる。小金が積もれば大金となる。しかも、税金を払う必要がないから、課税されない。

寄付された分だけ、全額を使える。


「お、お前ら……良い奴らだな」


これが友情パワー。

企業からは、お金は貰えなかったけど、世界はシルバーの味方だ。



『これぞまさにっ!友情・努力・勝利!』

『友情は金となり、努力の結果も金となり、勝利を齎すんだお』

『妖精さん、ワルサーの再購入はよ』


「……この転生特典を選んで良かったよ。

これがなかったら……最初の森で遭難して、死んでいた気がする」


『妖精さん、空を飛べるのに遭難とかありえんwwww』

『妖精さん、あっちに金髪巨乳エルフがいるお!』

『妖艶だお、美しいお』


ネットの皆の言葉を聞いて、シルバーは視線を洞窟の奥へと向ける。

そこには……愛らしいエルフ娘がいた。輝く金髪が美しい、豊満な胸に惹きつけられそうだ。

着ている衣服は、ボロ布だったが、それでもとんでもない上玉の美少女だと理解できる。


「ひ、ひぃー!

殺さないで欲しいのですっー!」


そんなエルフ娘が――恐怖で、エルフ耳をピョコピョコ動かし、地面に伏して土下座してきた。


『異世界の土下座エルフ』

『ここにいるって事は……豚人間に色々と食べられちゃった中古って事だよな……うわぁ……』

『オッパイをイッパイオッパイされた中古エルフですぞ!』

『エルフ娘が、中古なのは間違っているだろうか?』

『エルフ娘が、中古でも恋がしたい』


「あの、なんだ、プリン食べるか?

豚人間は俺がほとんど倒したから安心してくれ。

もう、君は陵辱されなくて良いんだ」


ネット通販で、100円のプリンを2個買った。シルバーはそれを地面に置く。


『俺らの寄付金がっ……!』

『エルフ娘の餌付けに使われているっ……?』

『このショタ妖精は恐ろしい子……!』


「お、美味しそうなのです……っ!

ど、どこから出したのですかっ……?

ま、まさか『夢幻』……?」


「いや、うん、詳しくは説明できないけど、その『夢幻』って奴とは違うと思うよ」


『妖精さんには、異世界の一般常識がわからないお』

『夢幻ってなんだお?』

『夢幻の神から、能力貰った奴の事じゃね?』


「あ、あなた様のお名前はっ……?」


「シルバーだよ?」


「ひぃー!?

百年に一度、発行される危険生物リスト・ベスト100に載っている暗黒王子だったりするのですか!?

命だけは助けて欲しいのですっー!

慰みものにされるのは嫌ですけど、殺さないでくださいっー!」


『なぜ、こうなった』

『中古でも、やっぱりエルフは可愛い』


エルフ娘がひたすら土下座してくる。

そんな最中、シルバーの視線は、エルフ娘……ではなく、その背後にある、広場の壁に注がれていた。


『なんで、壁にハッピーニューイヤーって書いてあんの?』

『異世界だと思ったら……?』

『おい……これってまさか……?』


(異世界に転生したかと思ったら……ここはもしかして……?)


壁には、英語のフォントで、こう書かれていた。

【新年おめでとうっ!西暦2222年!】


『未来世界オチか!?』』

『いや、妖精さん以外にも転生者がいるんじゃね?』

『未来世界には、エルフ娘がいるんだお?羨ましいお!』



そして、シルバーは転生した場所で見た『種族一覧』を思い出した


~~~~~~

①猫 宗教的に優遇されています。

②人間 滅亡寸前です。

③リザードマン 湿地帯で大勢力を誇っています。

④豚人間  最大勢力です、難易度イージー。

⑤エルフ 繁殖力が低い不老種族です。エルフ娘にはボーナスあげます。

⑥吸血鬼 タフな化物です。

⑦精霊 エルフと仲がいいです。

⑧ゾンビ こいつ腐ってやがる。

⑨デュラハン 鎧です。錆びます。

⑩ホビット 絶滅しました。この種族を選んだらボーナスあげます。

⑪ドワーフ エルフと仲が悪い筋肉マッチョです。

~~~~~~


(よく考えたら……人類の文学が作った架空種族や、地球の生物から進化したっぽい生物だらけ……?

本当だ、ここ異世界じゃない……地球だったんだ!)






二章 おしまい




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作者(´・ω・`)やっと、内政編に突入どん



「内政チートするために必要な資源が、大規模交易網がないと、手に入らない件」

http://suliruku.blogspot.jp/2016/05/blog-post_46.html

【小説家になろう】 「削除」俺の部屋ごと異世界へ! ネットとAmozonの力で無双する

http://suliruku.blogspot.jp/2016/05/amozon_10.html

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