024「妖精さん、水着写真をバラまく」
オッパイを区別しても差別はしない。
それがオッパイ族長の政策だった。
貧乳、巨乳、美乳……それらは全て平等で素晴らしい。
貧乳は、子供らしさを感じさせてチッパイ。
巨乳は、母性と包容力の象徴でありデカパイ。
美乳は、バランスの良い資産なのだ。
まな板みたいな胸だって、いずれ大きくなって資産価値が出る。
そんなオッパイ主義者とも言うべき、彼らの前に……素晴らしいものが、ばらまかれた。
千枚にも及ぶ無数の紙切れ。
「「ブヒィ?」」
50匹の豚人間は、意味がわからないという感じで、紙を見つめた。
そして気づいた。この紙には……とんでもなく高度な技術で描かれた絵の美女がいる事に。
地球の妖艶なアイドル達の水着写真。
無数のファッショナルな水着を着て、妖艶にほほ笑みかけてくる。オッパイ大きかった。
もう、妖精さんの事なんてどうでも良い。
胸が、まな板な妖精より、巨乳美女の方が価値がある。
だって、豚人間の寿命は短い。目先の利益に、すぐ飛びつく豚なのだ。
「た、宝物ぶひぃー」
「高クオリティの絵ブヒィー!」
「待つんだブヒィ!これは妖精娘の罠ブヒィ!」
オッパイ族長は、必死に愚かな部下達を止めようとした。
しかし、部下達は、二度と手に入らないかもしれない宝物……いや、神具『水着アイドル写真』を見た事で、暴走し、判断力が失われてしまう。
「「妖精娘のチッパイより、この絵の方が良いブヒィー!」」
「「きっと、こんなに素晴らしい絵なら、美女が飛び出てくるに違いないブヒィー!」」
「「盾があるから大丈夫ブヒィー!」 」
半包囲の陣形が崩れて、シルバーがいる通路へと押し寄せてくる。
木の盾があるから、これで炎を防御できる。豚人間は、無邪気にそう信じて、餌に食いついた。
彼らの太い手が、水着写真に触れた。その瞬間、通路の向こうから、シルバーが火炎放射器を、豚人間に向けている姿が豚の瞳に映った――
「エロ写真は、葬儀代だ」
『こんな酷い策に釣られな……クマー!』
『水着写真で人生を誤るとは……よほど、女に飢えているのだな……』
『豚人間が可哀想っ……!エロ同人プレゼントしたくなってきたっ……!』
炎が付いた燃料が飛んだ。
当然、こんなもんを木の盾で、防御できる訳がない。
盾ごと、豚人間は燃えて、炎上する。全身火だるま。
「「ぎゃぁー!熱いブヒィー!」」
「「た、助けてくれブヒィー!」」
シルバーは、混乱した集団の隙を付いて突撃する。
石が飛んでくる前に、豚を焼いて焼いて焼きまわる。
水着写真も容赦なく燃えて、豚人間達は絶望した。
「ひ、酷いブヒィ……もっと……オッパイ……揉みたかった……」
「エロは一瞬……しかし……芸術は永遠のはず……ブヒィ……」
『豚さんがマジで可哀想』
『さぁ、妖精さん、オッパイ族長にトドメを刺すのです』
49匹いた部下は死んだ。オッパイ族長は、一人孤立している。
手に持っているのは、切れ味が鋭そうな短い鉄の剣。
シルバーと、オッパイ族長。
二人の間に、重たい雰囲気が……流れなかった。
オッパイ族長は、自ら剣を地面に落とし、両手を上にあげて――
「降参するブヒィ!
お嬢ちゃんの部下になるブヒィ!」
『ちょwwww自分だけ助かるつもりだぞwwww』
『なんて酷い指導者なんだwwww』
『死んだ豚どもが報われないwwww』
「豚の部下なんていらん」
少しづつ、シルバーは油断せずに、豚人間に近づく。
策を弄する豚の事だ。伏兵がまだいるかもしれないと思い。視線を上にずらして天井を見た。その途端――
『妖精さんっー!』
『余所見しちゃ駄目ぇー!』
その声で、慌ててシルバーは、視点をオッパイ族長に戻す。
なんと、オッパイ族長の大きな両手が、物理的に『持ち主の腕から』離れて、空を飛び、超高速で迫ってきた。
ありえない光景に、全く対応できない。
(両手が……空を飛ぶ!?)
そのまま両手は、動揺したシルバーの華奢な両肩を掴み、地面へと強引に押し倒した、。
火炎放射器が手から離れて、絶対絶命の大ピンチ。苗床待ったなし。
『ロケットパンチだ!』
『やった!男のロマンだ!』
『なんでwwww腕から両手が離れるのwwwww』
『異世界すげぇや!』
「な、なんだよっ!これ!」
両肩が強力な力で抑えられて、シルバーは起き上がる事ができない。
オッパイ族長は、完璧なる勝利を確信し、欲情した笑みを浮かべる。
「ブヒヒヒヒッ!
お嬢ちゃんは知らないブヒィ?
これが俺がっ!偉大なる夢幻の神から授かった能力ぶひぃー!!」
「む、夢幻の神?」
「夢幻の神は、夢を叶えるために努力する者たちに、力を与えてくれる素敵な神様ブヒィ!
俺はこれで成り上がって、色んな女性をお嫁さんにしてきたブヒィッー!」
そんな説明を聞いている場合ではない。
だが、ここで少しでも会話をして、時間稼ぎしないと詰む。
シルバーの股間に、小さなアームストロング砲がある事がばれたら、死ぬまで殴り殺される可能性が出てくるのだ。
「ど、どういう神なんだっ!?」
『妖精さんが、時間稼ぎに必死でござる』
『最後の最後でゲームオーバー』
『妖精さん!ケツを出せば許して貰えるのです』
『アッー!』
「ブヒヒヒヒッ!夢幻の神ジャイナ様は、世界創造の際に使われなかった『無限の残骸』で出来ていると言われているブヒィー!
無限であるが故に可能性も無限大、同じ能力は一つも存在しなくて個性たっぷりブヒィ!」
『自慢しまくりwwww』
『自分の力でもないのに偉そうwwwww』
『他人の力で、調子に乗っている豚がいますぞ!』
「夢幻の神は何も導かないブヒィー!
自由に生き、自由に殺し、自由に犯し、自由に死ぬ!
真に偉大なる素晴らしい神様ブヒィー!」
オッパイ族長が、シルバーの、すぐ目の前まで迫ってきた。
荒い鼻息。その臭さに、小さな妖精は涙が出そうだ。
「くっ……殺せ!」
「ブヒヒヒヒッ!殺さないブヒィ!
ここで俺の子供を孕んでもらうブヒィィィ!
抵抗は無意味ブヒィー!お腹が大きく膨らんでボコハラムぶひぃー!」
そう言って、離れた手と、腕が再合体。
オッパイ族長は、シルバーの両肩から手を離し、代わりに両手を掴んで押さえ付け、首筋をペロペロと舐めまくる。
このままだと、明らかに、エッチィ展開か。残虐な拷問。そのどちらかが待ち受けていた。
『あっー!?』
『完全に詰んだぁー!』
「夢幻の神様ありがとうブヒィー!
今日は絶世の美少女とスッキリーできるブヒィー!
死んだ息子達も、きっとお嬢ちゃんの事を許してくれるに違いないブヒィー!
スーパーウルトラスペシャルすっきりータイムの始まりブヒィー!」
『妖精さんっー!』
『逃げてぇー!』
『両手が使えないからwww完全に詰んだwwwww』
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燃料×100円
水着写真×千枚 299円
残り 1円
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豚 (´・ω・`)ゲームオーバー!俺の大勝利ブヒィー!
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(´・ω・`)主人公が今まで購入したアイテムは、こっちに全部纏めた。
http://suliruku.futene.net/Z_saku_Syousetu/Tyouhen/Neltuto_tuuhan/Aitemu.html
【小説家になろう】「異世界の文明は遅れている!!」テンプレ
http://suliruku.blogspot.jp/2016/05/blog-post_83.html
全国ふぐ連盟「大変だお!無毒化したフグが販売されたら、利権が消滅してしまうお!だからっ!断固反対するお!」
http://suliruku.blogspot.jp/2016/05/blog-post_27.html
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