3#子オオカミが拾った7色の風船

 「あったーっ!」


 崖の谷間の窪地に、大きな木の実・・・いやカラフルな風船の束が、吹き荒れる風に煽られてフワフワと揺れていた。


 子オオカミのムウガは、早速その『木の実』にありつこうと牙を開いた。


  「いっただっきま・・・」


 ぱくっ!




 ふうわり・・・




 崖風が吹いて風船が揺れ、子オオカミのムウガの牙を避けた。


 「あれ?もう一度!!」




 ぱくっ!ふうわり・・・


 ぱくっ!ふうわり・・・


 ぱくっ!ふうわり・・・


 ぱくっ!ふうわり・・・




 ムウガが口を大きく明けて、『木の実』に食らいつくも、すぐ揺れてムウガの牙を逸らした。


 「よおし!『木の実』がその気なら、僕はこうだ!!」

 

 子オオカミのムウガは、脚の爪を突き出して風船・・・木の実を逃げないように抑えこもうと襲いかかった。




 ぴゅううう・・・!!




 突然、突風が吹き、カラフルな風船の束が舞い上がった。


 「ええーっ!」



 

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