第147話:天照②
浦安のスキル「スカイウォーク」は非生物対象に物を宙に浮かせることができる。そして成田の呪術はスキルを強制的に使えなくさせることができる力である。
さらにあの奇声のようなもので集中力を欠くことも戦略のうちの一つだ。
「魂を浄化してしまえば、あいつらも既に死人なわけだから倒せるよな」
「だがどうする?あのやっかいな能力にさらに天照までいたとなるとな。それに八十神はそこらにうようよといる。戦闘が長引けば後半戦が不利だぞ?せっかくの奇襲作戦もこれじゃ台無しだ」
「まあ運命ってのは誰にも分らないものだぜ。良いこともあれば悪いことも起きる。これ即ち人間万事塞翁が馬」
「まあなんにせよ、あいつらを倒す以外に次のステージに進めないわな」
武藤のグラヴィティにより、月読は地面に這いつくばる状態である。かなりグレードアップし、いくら王直属の戦士とは言え、女性相手では動くことができないとみた。
「こいつは俺が抑えておく。こいつに近づくなよ、お前まで重力に巻き込まれちまうからな」
「分かってるよ。俺は一般人だからな」
目黒が頭をぽりぽりとしながら後方を視る。
「あいつら、大丈夫なのか?」
目黒が動く。
「スキルを多用しすぎるのはよくないんだがなあ」
「ここを突破しなきゃ何とも出来ないぞ」
「摩天楼の力を借りるべきかな?」
「まだそれは残しておいた方がいいんじゃねえか」
「だな、初戦でいきなり使うのはどうかと思うしな」
物陰に隠れてることは既にばれており、飛散物が押し寄せてくる。
「能力からして拘束したところで意味なさそうだな。ならばあいつらの魂を浄化して尚且つ、本体を叩くのがベストだな」
「うまくいくといいがな」
「やってみせるさ。ところで前回は十束の剣でやったと思うが、あんたの能力は無効化されても手刀は無効化されないだろ?それで成田の身体を貫けるか?」
「可能だ。だがそのためには浦安と距離を離さなければいけないぞ。浦安と成田は常に近くにいるからな。前回は八甲田山の雪中行軍の話をしながら、満身創痍で奴をとったが、今回はどうする気だ?」
「俺の近くに成田を飛ばす。すぐに手刀で仕留めてくれ。俺は・・・鳳凰の力を使う」
「了解」
阿修羅は手刀の準備をした。振り上げ、最大限の力を出せるように準備した。
2人とも物陰から出てきた。既に浦安はナイフを準備しており、それを同時に飛ばしてきた。
「前回と一緒のような手順だな」
スキルマスター発動:アリストテレス
飛んでくるナイフを一旦全て弾き飛ばした。
「いくぜ阿修羅」
「いつでもいいぞ」
スキルマスター発動:トレード
パチンと音を鳴らし、金成と成田の立場を入れ替えた。
瞬間手刀を振り上げ、成田の身体を一気に貫いた。
鮮血が迸った。
対する金成は浦安の近くに急接近していた。すぐさまナイフが襲い掛かる。
スキルマスター発動:フェニックス
何十ものナイフが身体を突き刺すも、傷はすぐに回復していく。
スキルマスター発動:ファイヤー
紅蓮の炎で浦安を焼き尽くしていく。
「ぐおおおおおお」
魂を浄化させていく。
「なかなかやるな、このコンビ」
天照が腕組みをしながら二人を見下した。
「よそ見しとると痛い目みるぞ、オオクニヌシノカミ!」
大穴牟遅が炎の矢を天照目掛けて放つ。
「囮!」
魂5体を使い、その技を阻止する。
「月兎」
白兎たちを使い、魂を次々と抑えていく。
「サウザント・スプリング」
遠距離から美姫も援護してくる。
「俺の城にここまで土足で上がってくるとはな」
「まあそりゃあ、元同志だからな」
天照の背後に阿修羅が回った。
手刀を入れるも、天照が交わす。次いで金成もテレポートで飛び、応戦する。
「こいつら速いな動きが」
ダブルテレポートである。天照も二人の動きを見切るのがいっぱいいっぱいだ。
「これはちょっとやばいな」
スキルマスター連携:八岐大蛇
「九頭竜:十束の剣」
「手刀」
攻撃を交互に交わす。
「やろう」
天照が両手を合わせた。
「ソドムとゴモラを滅ぼした天の火の玉を魅せてやろう」
阿修羅が四次元空間を描く。
金成はそのまま応戦した。
スキルマスター発動:フェニックス
突然天照の辺りが紅蓮の炎に包まれた。
「金成!」
「大丈夫だ」
フェニックスにより火傷がみるみる治癒されていく。
スキルマスター発動:ファイヤー
あたりの炎を操り、天照にそれをぶつける。
「八十神!」
囮を使い、炎の難を免れる。だが、ほとんど魂を浄化し、そろそろ八十神の力も薄れてきた。
突如阿修羅が背後に現れ、天照の右腕を捥いだ。
「ぐお!」
血が噴き出した。
スキルマスター発動:アリストテレス
引力で天照を引き寄せる。
スキルマスター連携:八岐大蛇
十束の剣で天照の身体を貫いた。
「終わりだ」
「ぐあああああ」
天照を討ち、素戔嗚の敵をとったかのように思えた。
だがひっそりと影が潜んでいた。
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