第133話:捨て身
希望の塔となるべくこの新組織は果たして秋葉王のアキバミクスに対抗ができるかどうか。その焦点はまず、多くの戦力を引き抜くことである。言わば「捨て身の合流」をしていくことになる。
現時点では阿修羅、目黒、摩天楼、大穴牟遅と揃い踏みだ。次の引き抜きは王直属の戦士十戒の一人「美姫」との合流を測りたいものであるが、現在秋葉王の政党寄りとなっている。如何にアキバミクスは失敗に終わることを告げ、北海国のミサイル問題などに対しても圧力や制裁を掛けきれず、解散戦に追い込めるかどうかであった。
「政治家はほとんどカネで動く」
阿修羅はそう告げた。
「秋葉王の王国制度には不満を持つ者も多い」
大穴牟遅も素戔嗚とよくそう言った話をしたという。
「政治家にも色々といてな、『やっと議員になったんです!』と号泣する政治家もいれば、『違うだろ!このはげー!』と罵倒し続ける政治家も秋葉王寄りの王国政権では守られてきた。近年東京銀行が襲撃に逢い、ブロックチェーンを生業としていた総裁の『バズーカー』と呼ばれるものも失速に追い込み、現在アキバミクスでは物価目標値の2%に経済成長は到達できないと示唆された。現時点では資本成長のほうが4~5%と安定し、資本課税に踏み切ることも出来ず、若者たちはずっと手取り15万で都内を彷徨い、今年の出生率は低下し続け、100万人をきったという。年金が将来的に貰えないのは分かる。だが、今のこの東京国はもはや消費税増税に踏み切るしかないと考えたが、それも見送りがちだ。結局は秋葉王の懐に金が入るかバラマキを行われるかのどちらかでしかないからだ」
「確かに、2020年には『なんとかピック』とかいうやつもやるみたいだけど、無理ゲーじゃねえかこれ」
4人は歩き、そして少しずつ中央区へと目指した。
「アキバミクスの3つの矢は知っているな?」
「ああ、秋葉王と戦った際、全てを受けた」
「お前よくそれで生きていたな?だいたいは1本目でも折れるんだけどな」
「そうなのか?2本目はきつかったけどな」
「だいたいの政治家はアキバミクス第一の矢の『金欲』に支配される。今の政治家達がそうだ。政治とカネの問題は常に学園にも広がる。東高校はかつて評価額14%の値段で売却された。その際に地下に置いてあったゴミ撤去費用か何かしらんが、多額金を差し引かれて安値で売却されたんだ。東高校の理事はそれで失脚した。だから校長と教頭を臨時に配備し、それが秋葉王と執事だったというわけだ」
「それは秋葉王が絡んでいたってことか?」
「おそらくな。だが第一の矢は常に相手のマインドコントロールを行うことができ、理事に擦り付けたともされる。しかも一国の王が学校の校長を趣味の範囲でやるときたものだ。これは許されることでもないだろう。皆が騙されていたことだ」
「まあ確かに、俺も最初校長が秋葉王だったなんてわからなかった」
「敵を騙すにはまず味方から。俺達王直属の戦士もあの人のやり方にはよくわからないところが多く感じていたんだ」
飲食店で食事を済ませた。
仮想通貨流通量日本国2位のものが東京国の飲食店で決済サービスを実施していた。
「便利な世の中になったものだな」
そのまま仮想通貨で支払いを済ませた。
「携帯電話もどんどん進化していってるしな」
「ああ、だがそれは全てAI人工知能。人間の教育はどうだろうな?」
「日本国全土の20%ぐらいの子が中学卒業までに知識を身に付けれないらしいな。これでは東京国の将来も心配だ」
「やはりスキルを身に着けるに越したことはないが、これも一朝一夕というわけにはいかないだろうしな。家系によっては陰陽師、呪術師、退魔師、忍者になるなどの多くの道がそれぞれ用意されているわけだからな。勿論普通にサラリーマンやるのもいいわけだが」
中央区に近づいてきた。
「ここからの区域は特に金成、お前は指名手配されている。気を付けるんだぞ、まずは美姫を探し当てる」
「分かっている。だがどうやって勧誘するんだ?」
「美姫は元々東京保育園の教育勅語に対して嫌気を指していた。今はその管理課であった伊弉冉がいないが、未だに娘を預けている身としては心配だろうな」
「東京保育園?俺そこ行ったことあるような気がするけどなぁ」
金成は記憶を巡らしていた。
「美姫は美人で強い。だがちょっとビッチすぎるところがあるんだよな」
東京国中央区は警察官なども多く検問を実施していた。
マフィアも多くいたが、既に抗争は収まっており、彼らも賄賂を受け取り、捜索をしていた。全ては秋葉王を脅かす者の排除であった。
「迎えまであと1時間といったところか」
東京保育園で待機をしていた。他に王直属の戦士と出くわしたらこの時点でアウトだ。緊迫の中、捨て身の合流が始まっていた。
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