第6話:国会議事堂

かつて「政治とカネ」と言われた国会議事堂。

国会議員160名からなる蒼然たるメンバーから国の方針を決める議員がそこにいた。しかし多くは自分の党が有利になるような選挙活動を行い、多くの票はまたさらにカネにより横流しがあった。

ある一人の議員がこう述べた。そのものは「太郎」と述べた。


「俺がこの国を統べる総帥になった暁には、福祉や生活保護を撤廃する」


この言葉には多くの議員が反対をした。当然可決はされなかった。

だが少なからず支持者が存在した。彼らは確かに東京国では少子高齢化が進み、保育施設は衰退、逆に仕事をせずに生活保護の受給だけでノウノウと生き延びている者がこの国では多く存在したのだった。

犯罪が円満となったのが東京国北部に位置する栄えた街、国会議事堂前である。

多くの住民はプラカードを持ち、生活安定を政府に訴えたが等々破綻。

今となっては廃墟と化した国会議事堂前である。現在秋葉王と共に東京国の城は中央に位置するところにある。その周りに住む兵士達は今も公務員給料並びに生活保護、そして横流しのカネで生活をしている。

かたや生活苦に終れた若者並びに高齢者は家も持たず、この廃墟となった国会議事堂や駅、公園などを住処として治安の悪い街を寝床にするしかなかったのであった。

今もなお犯罪が鳴りやまぬ街、東京国の王はまさにこれを「隔離」したのであった。法も届かぬ場所、人権侵害もまた日常茶飯事であった。


金成達は明朝6時に集合した。

警備兵達が今も北部を遮っている。人工的に作られた大きな壁はよじ登るには困難であり、いつでも侵入者を確認できるようビデオカメラの配備も行われている。

その他、人間の数は少数であるにしても徘徊するロボットの数が夥しい。おそらく、今国立大学などで研究が実施されている「AI知能ロボット」の実験体だろう。彼らは銃などを所持し、敵と認識したら容赦なく発砲するようプログラムされている。彼らの動力は「核反応」何年、何十年とプログラムされた通り、動き続ける死ぬことのない兵士だ。


「さて、どうするかな」

金成は周りの状況を草陰から見た。正門は閉ざされ、中に入ることは難しい。

「なかなかの警備だ。外からも中からも侵入者を許さない感じだな」

「えっと、この辺りかな。マンホールがどこかに隠されてるんだが」

原宿が近くをうろうろしながら探している。地面は黒い土で覆われていて、何年も道路整備もされていない為か、辺りでは大きな石なども散乱していた。

「あった。これだわ」

薄黒い錆びたマンホールがそこにはあった。何年も閉ざされ、雨などによって錆び、びくともしない。

「俺がやる。フレイムロード」

渋谷がライターの火をカチッとして、その炎でマンホールの周りを焼いた。熱により粘土が溶け、錆びも少しは解消した。今度は黒い部分が灰色には変わったが、外しにくいところはうまく焼け切ったので4人の力で動かすことは出来たのだ。

「よし、これで中に入れる。まずは階段を下りて、そのまま地下通路を歩いていく」

金成が先陣を切って向かおうとした時に、池袋が手を上げ申し出た。

「もしもですが、地下にもAI知能ロボットの警備がある場合はどうします?戦闘は避けられないかもしれませんよ」

「その時はその時だ。俺たちの力ってやつを見してやろうぜ」

「万が一ですが、国王直属の戦士がいたら、俺たちの力では太刀打ちできないぞ。最悪打ち首だ」

「まあ悲観的になるなよ、だいたい何でそんな国王直属の戦士がこんな地下通路にいるんだよ。お前はいつも考えすぎだっていうの。そん時は俺たちで不意打ちでもして仕留めればいい」

「野蛮だな、もっと話し合いでの解決を」

そうこうしてるうちに3人はもう降りて行った。池袋も最後に続いて降りた。

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