第8話 無線の世界の救世主

フォネティック・コード。


電話でよく聞き取れないアルファベットを確認するためのコード。

例えば、お客様にコマンドを打っていただくことがある。

「MSCONFIG」

普通に「えむ、えす、しー」と言うと必ず「えぬ、えむ、じー」とお客様。


そこで登場するのが、無線の世界の救世主「フォネティック・コード」

A- ALFA アルファ

B- BRAVO ブラボー

C- CHARLIE チャーリー

D- DELTA デルタ

E- ECHO エコー

F- FOXTROT フォックストロット


しかし!

これを使っていては余計に混乱する。

「フォックストロットのえふ、です」などと言われた日には

「なんすか、そのフォックストロットって」と、どうでもいい箇所が気になる(ハズ)。


どのお客様でもわかりやすいように日々研究。


自分流フォネティックコード

M-マクドナルド(「ミッキーマウス」といえば高確率OK)

でも基本、企業名、キャラクター名はよろしくないと思う自分の認識。

同僚はMサイズのMですね?というが、SとLもあるのよ。

S-SOSのS

C-ビタミンCのC

ビタミンAやビタミンEの立場もあるので、ABCのCということが多いです。

おっと、キミ、いま、EはABCDEのEというと思ったかい?甘いな。

Eは(考え中)、次、いこうか。

O-オリンピック(関西のお客様には「大阪のO」というと100%OK)

今ではこれで理解していただける。


このフォネティックコードは意外に重要で、

100%NGが

ジャイアンツ(GIANTS)のGだ。

実際に阪神ファンのお客様から大クレームになったことがあるらしい。


あれは、まだ研究開発途中のことだった。

このフォネティックコードで失敗をやらかした。

「それでは、今から文字を入力していただきます。

マクドナルドのM、

SOSのS、

ビタミンCのC、

オリンピックのO」


「NECのN」←ライバル企業


部屋中が静かになった。

50人以上いて、常に駅のホーム並のうるさい部屋が。


あまりの異様さに鳥肌が立った。

なに?なんでみんなこっちを見てるの?!


ハ…。


「失礼しました…。NationalのN」


ハッ…、しまった。これも他企業名!


N…N…なにがある?!


本来のフォネティックコードは「Nancy、Norway、Nobember」

ナンシーのNなどといえば、キャシーの立場がない。

ノルウェーといえば、他の北欧諸国はどこだっけ?と気になる。

ノーベンバーとくれば次はディセンバー、自信がないので1月から言ってみたくなる。


だめだ、完全に現実逃避してる。

しっかりするんだ!

がんばれ!がんばるんだ、自分!

そこに鳴り響いた応援歌。


にっぽん、ちゃちゃちゃ!


こ、これだ!

「日本のN、でございます」


ハァハァハァ…。



まだまだ自己開発途中のフォネティックコード。

「Q」を「おばけのQ太郎のQです」と説明するのはやめたほうがいいと考える今日この頃。




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