第4話 MerryChristmas
そこは某PCメーカーのサポートセンター。
毎日のように様々な事件が起こる。
サポートセンターだけあって、そこに電話するのは
イライラ度120%のお客様てんこもり。
電話に出るなり怒鳴られることも普通。
ちょうど、去年のクリスマスイブの日。
仕事が終わる間際、一本の電話をとった。
関西弁の年配のご婦人。。
いきなりブチ切れて叫んでいる。
おおぅ。
頭を流れるのはクリスマスキャロルというより葬送行進曲。
怒鳴られることはどんなに長く働いたとしても
慣れるものではない。
馬鹿呼ばわりされるとへこむし、
これでも一応生きている人間なのだ。
一瞬にして目の前真っ暗になったものの、
こっちもなんとかして満足してもらわねばならない。
お客様とお話すること30分。
電話をきる時、お客様が言った。
「クリスマスイブなのに怒鳴ってごめんね~。
あんたも災難なクリスマスやったけど
クリスマスはこれからやで。
ほんなら、良いクリスマスを!メリークリスマス!!」
弾丸のようにしゃべると
ガッチャンと電話を切った。
……。
なんだろう…。
この気持ち。
なんか嬉しい。
たくさん怒鳴られたけど、最後の言葉で
全部救われた気がした。
まさか「メリークリスマス!」まで言われるとは思わなかったけど
こんな言葉が欲しくて、また今年のクリスマスもがんばろうと思うのでした。
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