第12話「結びつく真実 」

◆GMシーン ~蠢く完全なる死~

フォブリア大陸。その最果ての北の地――

人が足を踏み入れる事を許されない雪原の遥か先の閉ざされた大地にて一つの荘厳な城が存在した。

その城の奥にある王座の間にて、四つの影が一人の男の前に跪いていた。


「……『贄』は目覚めたようだな」


 圧倒的なまでの威圧感。

 流れる真紅のオーラは、この闇の空間にあって場違いなまでに美しい。

 その男の口から放たれ言葉は聞く者によっては、ただそれだけで魂が凍るような力が込められている。

 しかし傅く四つの影達もまた尋常ならざる存在であり、男の問いを聞くや否やすぐさま返答を返した。


「ええ。これでいつでもあの『贄』を殺す準備は整いましたよ」


 そう言って顔を上げたのは四つの影の一人にして『四柱テトラード』のリーダー・ペレリウス。


「貴方の命令さえあれば、僕はいつでも殺しにいきますよ」


 凄惨な笑みを浮かべる魔族の少年に真紅の男は言う。


「まだその時ではない。奴にはせいぜい死の寸前の絶望を与えておけ。

それよりまず先に、あの邪魔なウォーレム達を始末しろ」


 真紅の男の言葉にペレリウスは愉快そうな笑みを浮かべたまま再び問う。


「やり方は僕に任せてもらっていいんだよね?」


「……好きにしろ。ペレリウス」


 真紅の男のその言葉にペレリウスは満足そうに微笑み、他の三人の方に振り返る。


「さあ、お許しが出た事だし、行くとしようか。僕達、『四柱テトラード』が」


ペレリウスのその言葉に従うように三人は無言のまま、立ち上がる。


「我らが王――“死の王タナトス・エンペラー”のために、ね」


 その言葉と共に『四柱テトラード』達は姿を消す。

 そして、その場には“死の王タナトス・エンペラー”と呼ばれる、この大陸を支配する魔族の王のみが存 在していた。



◆   ◆   ◆



イオス:やっぱりあの4人の上にいる奴がいたか。


セレナス:上に誰かいなかったらまとまらないよね彼ら(笑)


リザベラ:バラッバラだし。


GM:多分好き勝手にやると思う。特にペレ子とか(笑)


セレナス:ペレ子!(笑)


リザベラ:子て。


GM:と言うわけでプレイヤーシーン行きますねー。



◆ミドル・シーン1 ~結びつく真実~

GM(褐色の男):「――いつまでも調子に乗るな!」

そう言って褐色の戦士が地を蹴った瞬間「もうそこまでで十分よ!ロトゥス!」

と、セレナスの耳に聞きなれた声が響く。それと同時に、イオスたちの近くにいたの黒フードに身を包んだ一人の人物がそのフードを剥ぎ取る。

そこから現れたのは―――セレナスの姉・レーネだった。


セレナス:「え…あ…ね………姉さんッッ?!!」


イオス:何い?!ってところだが、セレナス以外は驚けない。


GM (レーネ):「…久しぶりね。セレナス。本当に成長してお姉ちゃん、びっくりしたよ」

セレナスが最後に見た時と変わらない笑顔と声で彼女はセレナスにそう言う。


セレナス:「う、嘘だ…だって、こんなところに姉さんがいるわけ…」


GM (レーネ):「あ~信じてないな~、この弟は~」

そう言ってつかつか君の前まで来て、そっと君を抱きしめる。


セレナス:「ひっ?!……あ……」


GM (レーネ):「ほらっ、これで信じてくれる?」

あの時と全く変わらず君の姉は優しく君を抱きしめてくれる。


セレナス:「姉さんの……匂い………」(くんかくんか)


GM (レーネ):「こら」こつんと(笑)


セレナス:「姉さん、姉さんだ……あい、会いたかったよおおおッ!!」状況も見ずに泣きじゃくります。


GM (レーネ):「まったくもぉ、成長したんだから、しゃんとしなさい男の子」

そう言いながらもレーネは優しく君を抱いている。と、そんなやり取りをやっていると先ほどまでセレナスと対峙していたロトゥスと言われた人物が剣を納める。

「…フンッ。まあ、あの時よりは成長した事は認めてやる」


セレナス:「ふ……え?(ずびー)」


GM (ロトゥス):「そう言えば、まだ貴様らに名を名乗っていなかったな。オレはロトゥス=ラナ。このウォーレム達のリーダーを任されている」


リザベラ:まさか味方だったとは。


GM :「…感動の再会はそれくらいにして、そろそろ真実を話したらどうだレーネ」

とロトゥスと名乗ったその戦士はレーネに対してそう声を掛ける。

そしてそれを聞き、レーネもまた頷き

「…そうね。セレナス、今からお姉ちゃんが言う事を聞いてくれる?」


セレナス:「なーに?姉さん…」抱きついたまま(笑)


GM(レーネ):「あのね。あの日、私はさらわれたわけじゃなくて『盟約』に従って、ロトゥス達の下に行ったの。これはお父さんも知らない秘密だったんだけど。私のお母さんの祖先は…ウォーレム族だったのそして、私は母からウォーレム族に伝えられた『盟約』を小さい頃から、言い渡されていたの。それがこの大陸で起こる、災厄を防ぐ事だったの。残念ながら、その災厄を消す事はできなかったけど…」

そう言ってチラリとレーネはイオスの方を見る。


イオス:う…。


リザベラ:そこでダメージ受ける事はない。

災厄が防がれる=イオス君の死なんだから。


GM(レーネ):「そう言うわけで、お姉ちゃんはさらわれたわけじゃなかったんだよ」と明るい笑顔でそう説明してくれる。


セレナス:「ぐずん……僕も連れて行ってくれなかったのぉ…?」


GM (ロトゥス):「貴様のような屑が来たところで足手まといになるだけだ」

と今度はキッパリ、ロトゥスがそう宣言する(笑)。

「現に、貴様はあの魔族達が侵攻して来た城で死にかけていただろうが。

…だが、まぁ貴様には少し、見込みがあった。だから、オレは貴様を試していた。

結果は…まあ、一応合格としておいてやろう」


セレナス:「試した……」


GM(ロトゥス):「とにかく、そう言う事だ。何か他に疑問はあるか、屑」


イオス:「セレナスが連れて行かれなかったのは血が繋がっていなかったからではないか?つまりセレナスは『盟約』に縛られていない」

おそらく学院時代に血の繋がっていない姉がいることは聞いているはず。


GM(ロトゥス):「それもある。そいつは養子だからな」


セレナス:「おっさんを倒しても姉さんは喜ばないっていうのは分かったよ…」


GM(ロトゥス):「おっさんではないと言っているだろうが」

君の発言に青筋を立てるロトゥスだが横からレーネが入り

「そう言う事。だから、もうロトゥスとケンカしちゃだめだよ」

と君とロトゥス両方に言いつけるように言う。


セレナス:「むー…」姉さんに抱きついたままロトゥスを見つめます。姉さんはやらないよ(笑)


GM(ロトゥス):「では、そろそろここから移動するぞ。いつまでもここに居ては―――」

と、ロトゥスが言った瞬間。「そこまでだ!!大逆人共ッ!!」

と君達の後方からそんな声が聞こえる


イオス:ああ、やっぱり何か起こるのね。そりゃあこんだけモタモタしてりゃあな…。


GM:ざざっと君達を囲むように現れるのはテラスト王国の紋章を刻んだ騎士団達!


リザベラ:「愚図っていた代償、か」


イオス:「だから早く移動するべきだと言ったのだ」


GM(騎士):「フフッ、まだこんな近くをうろついていたとは、バカな奴らめ」とリーダーっぽい男が口を開く

「大逆人イオス=ヴァルムオンド!そしてシュヴァルストの剣とその他よ!覚悟するがいい、我が名はテラスト王国騎士団副団長・イルド=イルナースッ!!さぁて、お前達には特別にこの私の剣の錆びとなる名誉を与えてやろう、くっくっくっ…」


リザベラ:「護衛対象。どうする?」


イオス:「さっさと逃げるのが一番だな。倒しても構わんが殺しはするな、あれでも貴重な生き残りだ」

とリザベラに言う。


GM(ロトゥス):「…思ったよりも人数が多いか。後方の敵はオレとレーネで引き受ける。他はお前達に任せるぞ」

とロトゥスがレーネと共に後方を囲む騎士達の方へ向かう。


リザベラ:「了解した」 外した眼帯をしまって宣言しよう。

「イルド=イルナース! 貴様は私の錆になる価値はない。早々に撤退するがいい!」


GM(イルド):「はぁ~ん?お前こそ、何を言っているんだ。悪いが貴様の武勇伝もここで終わりだぞ、シュヴァルストの剣よぉ~。かかれ――ッ!!」


イルドのその号令と共に騎士団達はイオス達へ目掛け剣を振るう!

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