宵之街
赤い 赤い 街だ
朱に染まったブランコは 先ほどまでの漕ぎ手を見送るように揺れている
空を見上げると 張り巡らされた電線が 赤黒く染まっていた
この街を僕は知っている 幼い頃 父と 兄と 犬の散歩をして歩いた街
そこの角を曲がれば ほら 漬物屋さんがある
あそこのマンションの裏には この町唯一の駄菓子屋さんがあるのさ
懐かしいなぁ あの頃は日が沈むのが嫌だったんだ
いつまでも暮れる事のない宵の口を 僕は楽しみにしていたんだ
だけど今は違う 毎日毎日 日が暮れるのを待ちわびている
日が暮れた後に訪れるこの夕暮れの街が 酷く愛おしい
さぁ 今日もまだ日は暮れてない
お家の人がお迎えがくるまで 遊ぼう?
カナコちゃん
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