宵之街

ポージィ

まどろみ

決して身体には良くない事なのだろう。

満員電車も常々揺られていれば、そのうち慣れが来る。

立ったまま眠る事もできたが、涎が出るのでなるべく我慢するようにした。

行きの電車は仕方がない。

だけど―――帰りくらいは座って眠りたい。


いつの間にか帰る時間が遅くなっていった。

地下鉄は深夜になってから空く。

会社を出る時間をちょっとだけ遅くすればいいんだ。


カタンカタン カタンカタン

心地よい揺れとリズミカルな音が、催眠術のように意識を沈めてゆく。


(あぁ、またあの夢だ。あの子・・・誰 だっ け・・・)

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