第2話 パソコンとノストラダムス

1999年7の月

空から恐怖の大王が舞い降りてアンゴルモアの大王を甦らせる。

その前後マルスが幸福に世界を支配するだろう。

第10巻72番より



かの有名なノストラダムスの予言。

この予言を私が利用せずにはいられるだろうか。

否。

磯野カツオ2号と呼び声高き私は

狡猾な思考回路でこの予言を100%信じたのだった。


そう!それは

「1999年に世界が滅んじゃうからローン払わなくてもいいんじゃん?」計画

である。


ノストラダムスの予言解釈者は実に多くの人物がいるが

「7の月」というのは「12月」説というのが多かった。

そこで、1999年12月1日。


パソコン買っちゃいましたー!


初めてのパソコン、使えるのは最長でも一ヶ月だけど

世界が滅ぶ日までパソコンを堪能しようと

ピカピカのマシンをなでながらニヤニヤしました。


当時のスペックは今で言う「ゴミ」なのですが

30万近くしたでしょうか。

ああ、でも払わなくてもいいっていうんだから、まったく申し訳ないね~、オホホ。


テレビで毎日のように特番が組まれたその年。

信じない人や恐怖でパニックになる人はいたが

パソコンをなでまわして笑ってた人間は私だけだっただろう。


そんな磯野カツオに段々と暗雲が立ち込めた。

12月20日が過ぎ、25日になり、31日になった。


もはや、カツオはサザエに馬鹿にされるしかなかった・・・。


2005年12月。

来月でパソコンのローンが終わる。

既に壊れてしまって現在3台目のPCだということは内緒である。

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