第3話 下を見るな、上を見ろ

考え方は人それぞれ。

正しいも間違ってるも、判断は自分でするもの。

そんなまどろっこしい前置きをするのも、これから書くことが

どれくらい人の心の中でプリズムとなって描かれるか見当がつかないからだ。

言葉は時として意図としない方向へ受け取られることがある。

私の思うところが幾ばくかでもあなたに届きますように。


インドではカースト、日本では士農工商と身分制度なるものがあった。

本来の目的は民衆の不満を閉じ込めるためのものだった。

「下をみろ、ほら、こっちがまだマシだ」


人間は悲しいときに、自分よりも不幸な人を見ると

「あの人より、まだいいほうだわ」と思う。


それもひとつの方法かもしれない。

でも、そうじゃなくて、誰かを見て、自分の立場を認識するのではなくて

考えて、考えて、そして自分の足で立ち上がって欲しい。

自分の下には何もない。誰もいない。

だから上を見て

「ああ、自分はまだまだがんばれる」

そう思って欲しい。


「私はそんな強い人間じゃないから」

本当にそうだろうか?

自分に蓋をしてしまえば、そこから這い上がることはできない。


神様は決して乗り越えられない出来事を与えない。


人を見て、決めるのではなく

自分の通ってきた道を振り返り、可能性を信じて

ゆっくりと立ち上がって欲しい。


下を見るな、上を見ろ。

朝には太陽が、夜には月が。

頭上にはあなたを見守るたくさんの星が、輝いているのだから。

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