第13話 モノゴト トハ

『すべての物事は多面的である』


どんなことでも、その一部分で判断するのではなく

多面的に考えることが必要だ。


元気を取り戻す時、そして、調子付いているときに

自分をなぐさめる言葉であったり、戒めるために思う言葉。


私の呪文のような言葉である。



例えば。


嫌な手紙をもらう。


それは受け取った側が「嫌な」と思うのであって

なぜそれが書かれたかと考えると

やはり、もらうほうにも何らかの過失、もしくは

その相手に無意識に「嫌な」思いをさせたのかもしれない。

単純に嫌がらせかもしれない。

理由はともあれ、それを受け取ることによって、

立ち止まり、その人に向き合って接していただろうかと

考える機会になる。


主観的に考えれば、誰しも自分が間違っているとは認識していない。

どんなひどいことをしようとも、それを正当化する能力が備わっている。

「あの人がこうしたから、私がこうするのは当然だ」


果たしてそれが本当に正しいのか。


そういうときに、考える。

物事を多面的に捉えてみる。


自分の主義主張を唱えるのではなく

様々な人の話に耳を傾け、

全てを自分の中に取り込んでから、じっくりと答えを出す。


多面的に見る事で、理解しえなかったものが

見えてくるということもある。


仕事では、自分は何も悪いことなどしていないのに

ひたすら謝罪し、罵詈雑言を浴びる。

「なんで?」

そう思うのでは自分が煮詰まってしまう。

考え方を少し、違う角度に変えてみて

この人は今、なにを求めているのか、何が一番最良なのか

自分ができることを探っていくことで変わってくるときもある。


光が当たっているところだけではなく

影の部分もみえるように

自分の意見だけではなく

他者の意見も聞く耳を。

そして「考える」ことを。


歳だけ重ねていく、子供のままの自分にならないために。

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