第9話 思い通りになる女

「危ないよ!こけるよ!」

と注意されるそばから、見事にこける。

「そんな持ち方したらジュースこぼすよ!」

案の定、1分後にこぼす。


そう、私は思い通りになる女。

都合のいい女とは、ちょと違う。


占いなんて見たらダメだ。

いいことなんて当たらないのに悪いことになると当たってしまう。

自分で分析するに、占いの結果が気になって

無意識に思惑通りに自ら突き進んでいるのではないか。


でも、女の子だもん。

占いって、気になるの。キャハ。(さぶい)


大学生の時、ついうっかり朝の占いカウントダウンを見てしまい

その内容が「今日は最悪~、明日はハッピ~でありますように☆」という

内容と表現がアンバランスなのは置いといて、

恐るべし予言だった。


このままではまずい。

そう思った私は大学へも行かず、アパートに引きこもった。

これなら最悪な運勢もその威力を発揮できまい。ククク。

TVを見たら壊れるかもしれないし、本を読んだら破くかもしれない。

全てにおいて懐疑的な私は、寝る事にした。

寝てる間にアパートが火事になること以外、安全極まりない。


ぽやーん、と目覚ましを見る。

午後7時。

11時間も寝ていたのか。

寝すぎだな、こりゃ。


・・・11時間?


あっ!


バイト!!!


それから大慌てでバイトに行ったが、店長から死ぬほど怒られて

ラストまで働かされ、家に帰ったのは翌朝5時だった。


そう、私は思い通りになる女。

去年、細木数子に操られたのも記憶に新しい。


占いは、信じる、信じないに関わらず、見ないようにしている。

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