第3話 妹の言葉

そして今、彼女達5人は公園の日陰のベンチで話し合いをしている。


翠川「なるほどねぇ…。先輩の家行ってみる?」


桃池「さすがまな。考えてることが違うよ。」


共感してるのか、呆れてるのか。

どちらとも言えないトーンでまゆは言った。


翠川「あ…でも意味無いかな。

いきなり行ったら迷惑かけちゃうよね。」


蒼江「確かにね。あ、そういえばゆきは古島先輩と仲良かったよね?」


黄堤「あれは仲良かったって言うのかな…?」


蒼江「スマホ…は持ってないから再集合しよっか。」


朱山「そしたら15分後、ここに集合ね?」


分かった。

皆が返事をして全員が公園をあとにした。


15分後…。



朱山「ゆき、スマホ持ってきたよね?」


黄堤「OKだよ!さや!」


ゆきはLINEを立ち上げ、友達の欄をスクロールし始めた。


黄堤「えーと…古島先輩、古島先輩…あれっ?!」


突然驚きの声を上げるゆき。


黄堤「ねぇ皆!古島先輩のアカウント無いよ!」


桃池「ちょっと待って、皆も見てみて…。

もしかしたら間違えてゆきが消してるかもしれないから…って!私も…ない。」


翠川「私もないよ!」


蒼江「消えてる!」


朱山「グループにもいた形跡ないよ。」


嫌な空気が流れた。


桃池「嘘…でしょ?」


先輩達の存在した形跡は無かった。


ちょうどその時、上本先輩の妹、美音(みね)が通りかかった。


翠川「私聞いてくるね!」


蒼江「まな?!聞いて来るって何を…。」


りなの言ってる事は聞こえていたのか。

まなは美音の方へ駆け出していった。


翠川「美音ちゃ〜ん!ちょうど良かった!」


美音「すっ…翠川先輩??」


黄堤「まなぁ…行動が早いよ…。」


美音「きづ…じゃなくて、黄堤先輩も…?」


翠川「ゆき?なんで来たの?」


黄堤「さやが行けと。」


翠川「ふぅん…。」


美音「先輩…何の用ですか?」


翠川「ごめんね。えーと…。

美音ちゃんって1人っ子だっけ?」


美音「はい!1人っ子です!」


翠川「うん、ありがとう。また明日。」


まなは美音に手を振った。


美音が見えなくなると、手はすっと下がってしまった。


翠川「…戻ろっか。」


少し暗い声でゆきにいった。

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Nine Colors Attribute 松葉 柚香 @Yuzuka_M

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