ロリ姉

やめるSE

第1話


幼女先輩。


俺が通う学園で密かにそう呼ばれる先輩がいる。

なぜそう呼ばれるのか。理由は簡単である。

どこからどう見ても小学生にしか見えないのに先輩であるため、この春入学した俺達新1年生から敬愛を込めて幼女先輩と呼ばれていた。


俺も学園で一度だけ見たことがあったが本当に小さかった。

まるで、


小学生


のように。


ただ、俺はこの時、この人が魔法少女であるということを知らなかった。


   ***


フリフリとした可愛い格好をした少女が、人相の悪いおっさんと戦っていた。

「ぐぇへっへっへぇ~~~~」

おっさんは下卑た笑みを浮かべながら少女へ近づいて行く。

「き、キモチワルイ! こっちくるなぁ~~~!!!」

そう叫びながら、魔法のようなものを放って少女はおっさんをけん制している。

もしフィクションでなければ、どう見ても犯罪の一面である。


「ぐっ、ぅう!」

お、少女の攻撃がクリーンヒットしたみたいだ。

「私は絶対に負けない! プリティ~、バスタァァアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

隙を与えず、必殺技のようなものを放つ。

「ぐわああああああああああああああ!!!?」


お、必殺技を受けて、おっさんがやられた。

良かった。もしあの娘が負けていたら、下手したら18禁になってしまうところだった。

って、あれ? 爆発大きすぎない? なんか余波がこっちに――

そこで爆発に巻き込まれ、俺の意識は途切れた。


「ふぅ。やったか」

少女がゆっくりと息を吐くと、消えた敵の方を見てそうつぶやいた。

「うん。消滅を確認したよ」

その声にいつの間にか、少女の方に乗ったウサギのような生き物がそう答える。

「おつかれさま。怪我してない?」

そのまま、ねぎらいの声をかける。

「うん、大丈夫。怪我も特にないよ」

少女は笑顔でそう答える。

「そうか、よかった~。ところで、さ」

安心したようにウサギはそういったが、その後の言葉が、続かない。

「どうしたの?」


「そこで寝ているのって、誰?」

「えっ!?」


ウサギっぽい生き物に言われ人が倒れている方を見ると、男が一人倒れていた。

男は、半目を剥いて気を失っていた。

彼こそが、この物語の主人公である。

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ロリ姉 やめるSE @yukata_0051

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