第7話
それからもハインツ一行は第一層の広さ、構造を把握するため、探索区域の
壁に沿って探索を続けた
第一層の広さは、想像以上だった
何せ壁伝いに歩いていても、端に辿り着く気配がない
これは、ハインツ達が思っていた以上に広大だ
だが、この広さは逆に好都合でもあった
もし、迷宮内に転移陣などが設置されていれば、一箇所に留まるのは
非常に危険である
現在地を確認しつつ、壁際を歩く
途中、ハインツ一行は幾度も魔物の群れと遭遇し戦闘になった
魔物の種類は主にゴブリンやオーク、コボルトなどの小鬼属、ウルフ、ボア、スネーク、ワームといった 動物属の魔物達・・・
中にはジャイアントスライムのような魔法生物属もいた
もちろん、先ほど戦った狼型の魔物もいる
その数は数えきれるものではなく、数百匹規模で現れては向かってくる
しかし、それを難なく対処して圧倒的な強さを見せつけたのは、まず前衛の
ローザだ
小鬼属のゴブリンやオーク、コボルトの魔物の群れに一人で突撃して
一体ずつ殴り飛ばし、蹴り飛ばす
群れには上位種や変異種がいるが、そんなものは関係ないとばかりに
拳と脚を振るう
時には跳び上がって空中で回転しながら、踵落としを放つ
ゴブリンやオーク、コボルトは握っている剣で応戦しようとするがローザは、
曲芸のような身体捌きで巧みにかわす
一つ一つの動きが速く虎の着ぐるみ姿ため、まるで虎が荒れ
狂っているようだった
巧みに拳や蹴りを繰り、容赦ない一撃を喰らわせていく
雷光の如き速さで駆け抜け、一撃で魔物達を次々と粉砕していく
ハインツとカーリンだけは、その動きに目を奪われていた
魔物達はローザに近づけず、一方的に攻撃される光景は圧巻の一言であり、
まさに無双と 呼ぶに相応しかった
だが、圧倒的な戦闘技術があってもローザ1人だけでは、全ての魔物を捌切れない
次に行動を起こしたのは、魔法詠唱に奇行を行うタルコットだった
「援護します!!」
タルコットはそう叫んだ
「いや、ちょっと待て!?」
そう叫び返したのは、ハインツか、それともカーリンかは分からない
ただ言えることは、タルコットの行動は常軌を逸した詠唱行動に入っていた
「いきます!!
インパール インパール インパール インパール インパール インパール
インパール インパール インパール インパール インパール インパール
インパール インパール インパール インパール インパール インパール
インパール インパール インパール インパール インパール インパール
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骨までしゃぶる 骨までしゃぶる 骨までしゃぶる 骨までしゃぶる
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忘れるな 忘れるな 忘れるな 忘れるな 忘れるな 忘れるな
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい
日本に帰りたい 日本に帰りたい 日本に帰りたい」
タルコットは気迫る表情を浮かべ、不気味な詠唱を繰り返しつつ
迷宮の床に額を繰り返しぶつけはじめていた
その姿は狂気の沙汰であった
何度も何度も強く激しく額を床にぶつけるタルコットの奇行は、突然止まる
だか、途中から拳を床に打ち付ける動作に変わり始めた それは次第に激しさを増していき、遂には腕を交差させて
勢いよく振り下ろすという奇妙な行動をし始めた
両手の拳からは皮膚が破れて血が流れており、床にも赤い鮮血が飛び散っていた
床に額をぶつけた箇所からも血が流れている
だが、その貌は痛みに耐えている様にはみえず、激しい憎悪と怒りに
満ちた表情をしていた
そして、ゆらりと幽鬼の様に立ち上がると迷宮の床を爪先と踵で踏み馴らす様に
しばらく歩き続ける
それはまるで音楽にでも合わせている様なリズムを刻んでいた
迷宮の床を爪先と踵で踏み馴らす行為を終えると、今度はゆっくりとした
歩行で足を交互に 滑らせ前に歩いているように見せながら後ろに下がり始める
後ろに下がり始めた時頸を前に出す動きをしているため、何か不思議に見える
すると、テレンスがいつの間にか治療効果のある癒しの空間を
タルコットの周りに展開していた
「・・・」
ハインツは、その光景にただ戦慄し、言葉が出なかった
「発動させましたぁ」
タルコットは掠れた声で告げると両腕を振り上げ、拳を強く握りしめる
その瞬間、魔物達の頭上に魔法陣が出現しそこから強烈な絶命の空気が放たれた
その空気を吸い込み、または浴びた魔物達は、喉を搔き毟り、全身を痙攣させ、
口から泡を吹いて次々に倒れていった
この攻撃により、魔物の数は半数以下に減った
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