第510話 自分が一番
「いや…無理ですよ…」
派遣会社から電話が入った。
それも仕事中である。
「桜雪さん、お元気ですか?」
「はい…何か用ですか? 仕事中なんですけど」
「えぇ、解ってます。今日は新しいお仕事のご紹介を…」
「いや…以前にも何度かお話しましたけど、正社員で務めてますので…」
「えぇ、そうなんですけど、人が足りないんですよ、お願いできませんか?」
「できるわけないでしょ、正社員辞めて、非正規に戻るんですか?」
「今、お勤めの会社からも近いんですよ」
「いや…関係ないでしょ距離は…近所だから何なんです?」
「お願いできませんか?」
「あの…電話しないでもらえませんか、お願いですから」
派遣の営業というのは無責任なのが多いように思う。
自分の請けた仕事に人をハメ込んで終わり、そんな感覚なのだろう。
まぁ派遣会社という性質上、仕方ないのだが…。
あのな、正規雇用から非正規雇用に進んで落ちる奴がいるか?
軽いノリで電話してくるの止めて欲しい。
女の営業って、このタイプが多いような気がする。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます