第5話 ありがとう、さようなら

「許さない・・・貴方だけは・・・!」

いつも笑っていたドリーミアの瞳は

殺意に満ちていた。

「ドリーミアちゃん 行きましょう。

お母さんのお母さんのそのまたお母さんの

思い出の場所を取り返しに!!」

「シェインさん、レイナさん、タオさんそして

エクスさん・・・行きますよ!」


.+*:゚+。.☆


「ありがとうございます・・・おかげで

私の思い出の場所は残りました・・・ありがとう」

ドリーミアの瞳はさっきと変わり、涙で溢れていた。

「ドリーミア・・・いつかまた・・・会えるといいね」

レイナがそう言うと、ドリーミアが首をかしげる。

「え?ん、ななんでそんな一生の別れみたいな・・・?」

そしてレイナは調律によって

相手の記憶からは自分達の記憶がなくなることを話した。

「・・・ぃや。そんなの・・・だったら!」

ドリーミアがそう叫んだ瞬間

二つの声が重なった

『混沌の渦に呑まれし語り手よ 』

『白き光に包まれし羊たちは』


『われの言の葉によりて、ここに調律を開始せし』

『この女神を忘れぬことをここに誓い、永久に忘れぬことを誓うか!!』


二人の声が重なると、僕達は、草原に立っていた。

「さぁ、次へ進みましょう!・・・ね」

レイナは少し暗めの声で言った

「ドリーミアちゃん・・・シェイン達のこと忘れちゃいましたかね・・・」

「忘れてる・・・だろ。」

シェインとタオが言った。でも僕は笑って・・・

「忘れてないよ・・・きっと。」

って呟いた。


================

その後僕達は、宿に戻り、

それぞれの部屋へと戻った。

嬉しい気持ちと悲しい気持ちで

ちょっと複雑だった。

================

私はレイナ。

方向音痴ってよく言われるの。

ひどいわよね!

まぁ・・・自覚はあるのよ。

じゃなくて、今日は疲れたし

もう寝ましょう!

「この夢もドリーミアに監視されるのかな。」

監視されたって、ドリーミアはきっと、

『知らない人の夢』としか

思わないはず。


「でも、夢の中でもいいから、もう一回ぐらい

会いたいなぁ」


あってまた、美味しいシュークリームを

一緒に食べたいな・・・


「ドリーミア。夢でもいいから。一緒にまた、

シュークリーム食べようね。」


私は笑って目を閉じた。

『はい!食べましょうね!』


微かにそう聞こえたから。

=================

こんばんはです。

シェインです。

今日は不思議な子に

出会いましたね。


「草原を光の速さって。UFOかと思いましたよ」


くすっと笑って、布団に寝っ転がりました。

疲れました。シェイン。

だって今日は、街にも行ったし

わけわかんない幻想的な雲の上の世界にも行ったし


「まあそこで、いいお宝貰いましたけどね。」


お宝って言うのは、私の心にある思い出です。

ドリーミアちゃんとの思い出。

シェインはしっかりと覚えています。

たとえドリーミアちゃんが忘れても。


「ドリーミアちゃん。夢の中でまた、いい武器見せてくださいね。」


シェインは驚き気味に目を閉じた。

『はい!いいものお見せしますよ!』


張り切った声が聞こえた後に。

==============

やぁ。俺の名はタオ。

今日は不思議な奴に出会ったなぁ。

ドリーミアって言ったっけなぁ。

お嬢より少し小さくて、水色の髪が綺麗だったな。


「まぁ、初めてあった時は、草だらけだったけどな。」


ははって笑ってた。流石に今日は疲れたな。

敵がやばかったしな。まぁ、

『タオ・ファミリー』に敵はないがな。

しっかし結構話し合うやつだったよな。


「おてんばだけど、まぁ、話し合う奴でしたな」


少しシェイン風に言って、笑った。

俺。正直キモイが。

また、アイツと話してぇなぁ。


「また、夢の中で話そうな、お互いの暮らし。」


俺は苦笑いで目を閉じた。

『もちろん!人間界もっと知りたい!』


強めに主張した声を聞いてから。

=================

こんばんは。僕の名前はエクス

今日はダイナミックな日だったと思う。

草原を光の早さで転げ落ちてきた

女の子が女神だったとか。


「ぶつかった時は、死ぬかと思ったけど・・・ね」


えへへって苦笑いして、布団に入った。

今日は大変な1日だったな。でも、

すごく楽しかったな。たくさんの

ドリーミアとの思い出も。


「ドリーミア、僕達の事・・・覚えてるかな?」


レイナ達はきっと、忘れてるって思ってるよね。

でも、僕にはわかる。だってあの時・・・

まぁまた説明するか。ドリーミア・・・

また、いっぱい話したいな・・・


「また、会って話せるといいね!ドリーミア」


僕は満面の笑顔で笑った。

『はい!エクスさんがどこに行こうと飛んでいきます!』


冗談風に笑うドリーミアの声を聞いて。

===================

私の名はドリーミア

雲の上に住む夢の管理人

『女神』です。

普段はおっちょこちょいで、ドジな私でも、

やる時はしっかりやります。

こんばんは。

今、私は、皆さんの夢を監視しています。

皆さん、1人ずつ素敵な夢を見ているわ・・・

夢が叶う夢、大好きな人に会う夢

好きなことを好きなだけする夢。

皆キラキラ光ってる。

それを見れる私はとっても幸せ。

だってこんなにも輝かしいたくさんの夢を

独り占めできるんですもの♪


「今日はそろそろ寝ようかしら。」


え?夢を監視しないのか?って?

そりゃぁ私だって、夜から朝まで見てる日もあるけど、

正直眠いんです。それに

今日は皆さんとっても綺麗な夢。

悪夢が一切ない。

だからあとは、自動管理に任せればいい!・・・よね


「でも、今日はなんとしてでも寝るの!」


だって、エクスさんたちに会うんだもん!

指を鳴らせば、サッと寝巻きに変わる。

モフモフの布団に飛び込めば、

もう眠気が襲ってくる。


「エクスさん、レイナさん、シェインさん、タオさん

夢の中で、会いましょうね。」


ニッコリと笑って、女神は

眠りにおちるのだった。


=============おわり=


ご観覧ありがとうございます!

書くの大変でした。さて、

「調律したのになんで、覚えとるねん。」

って思っている貴方!解説です♪


.+*:゚+。.☆不思議で終わらせたい方は、ここで

さようなら。ありがとうございました!.+*:゚+。.☆




〜解説〜

まず、第5話の最後のレイナの調律に注目!

レイナが調律している時に、もう1つ、

ドリーミアの「調律」が進行されていました。

まずは、『白き光に包まれし羊たちは』の解説です。


白き光=ドリーミアによる女神の『ホワイト』です。

に包まれし=その光に『洗脳』される。

羊=この場にいる、下僕たち(エクスたちを下僕と見ます。)


次は 『この女神を忘れぬことをここに誓い、永久に忘れぬことを誓うか!!』

の解説です。まぁこれはほとんど、そのまんまですね。

この女神を忘れぬことを誓い=ドリーミアを忘れないことを誓う

永久に忘れぬことをここに誓うか=ほぼそのままですw

永遠にドリーミアを忘れないことを、『永久』に誓うか。


まあ、こんな感じですね!

わかりずらくてすいません💧

あ、あと、ここの時点で、ドリーミアの

『調律』に気づいていたのは、

エクスのみです!


ご観覧ありがとうございました!


ありがとう。

永久に私を忘れないで。


貴方に幸せな良い夢を。

*************ドリーミアより*


どうも。ドリーミアです。

夢を監視しています。

結構疲れるんです。

悪夢が多い日なんて。

全然ねれなくて。


今思うと、母は偉大だとおもいます。

だって1日も自動管理に任せなかったんですもの。

飽きれるほどです。でもはは母は


『皆が幸せならそれでいいの』


そう言っていたけれど。

本人は幸せだったのかしら。


今となっては分からない事ね。

=================

皆の夢の中。

「ド、ドリーミア、私たちのこと覚えてるの!?」

「え、んまぁ。」

「ど、どうして?」

「解説読んでくだせい。」

「( ˙-˙ )」

「でも、僕はドリーミアが僕達を覚えてるって知ってたよ」

「「「「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」」」」

僕以外みんな驚いてるし。

「まぁまぁ会えてよかったじゃん。」

「夢だけどな。」

「ドリーミアが僕らの夢になんかしたんじゃないの?」

「いいえ!」

「「「「えぇ?」」」」

「単に、奇跡的に来れたってことですね。」

「マジかよ。」

「やばいですね。」

「どんな力よ。」

「はは」

「まぁまぁ今日は楽しみましょう!」

「「「「うん!!!」」」」

============

私の名はドリーミア

雲の上に住む夢の管理人

『女神』です。

普段はおっちょこちょいで、ドジな私でも、

やる時はしっかりやります。

おはようございます!

昨日はとっても楽しい夢を見ました。

みんなに会う夢。

すっごく楽しかった。


まず、レイナさんとシュークリームいっぱい食べました。

その後は、マカロンも食べて、すっごく美味しかった!

思い出すと食べたくなっちゃう!


その後は、シェインさんと、

色々語りました。こっちの世界のお宝や、

珍しいものなど。シェインさんとっても喜んでた!


それから、タオさんと、こっちの暮らしと

あっちの暮らしの比例をしました。

違うことがありすぎて、もうビックリ!


それから、エクスさんと、たくさんの思い出を話しました。

自分の世界ではこんなことが・・・とか

とっても楽しくて、夢のような時間でした。


私は、みんなに会えて幸せ。

それまで、1人だったから。


お母さんが死んでから、

基本ずっと塔にいて、しかも、

塔の周りは私の家だったから、

友達もいなくて。


毎日すっごく悲しかった。

毎日夜は泣いてた。

そびえ立つ塔は、

まるで私の孤独の塔だった。


何を言っても返事はない。

ブツブツ独り言みたいだった。


でも、エクスさん達に出会ってから、

すべてが変わった。

世界はこんなにも広く、世界にはこんなにもの

新しいものがあることを。


夜になれば1人だけど、

そばには、誰かがいてくれる。


それだけでいい。


今日も私は

夢を監視する。


素敵な夢を。


心から笑って。

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夢の女神ドリーミア @Ramune_Sawaya

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