第15話 ゴーゴーバーに行こう!

 トムさんのお悩み相談が一段落すると「場所を変えて飲み直そう!」という話になった。


「それじゃあ、この後みんなでさー、ゴーゴーバーってところに遊びに行こうよー。バンコクでは有名なんでしょ?」

マツジュンが遊ぶ気満々ではしゃいでいる。


それを聞いて「プッ」とコーラを噴いたトムさんが、あわてて紙おしぼりで口元を拭った。


「ゴーゴーバーってマツジュン・・・。このメンバーでお酒飲むような場所じゃないんだけど・・・」

トムさんがたしなめるように言った。


「なんとなく分かるけどー。でも、トムさんそういうところ詳しいでしょ?」

この男の風俗好きは、既に女子たちの間で語り草になっていたのだ。


「まぁ、知らないわけじゃないけどー。さすがの僕も女の子連れは気が引けるなぁ」


「いいじゃん!いいじゃん!せっかくだし案内してよー。もう決まりだからねー」

マツジュンが半ば強引にまとめにかかった。


「まぁ、普通にお酒飲むだけならペイバー代(連出し料)もかからないし。今の時間ならちょうど盛り上がってるかもなぁ・・・」

トムさんも頼りにされたのが嬉しいのか満更ではなさそうだ。


「なーに?ペイバーって?まさか、うちらがエッチな事とかされないよねー?」


「それは大丈夫。どうしても興味あるなら・・・。行きつけの店を案内するけど」


すっかり彼女のペースに乗せられたトムさんは、とばかりに張り切っている。


「たまにはこんなメンバーでゴーゴーバーってのも面白いじゃないっすか!」


「私も飲み足りないから付き合うよ」


「トムさん、よろしくおねがいしま~す!」


こうして、皆の意見が一致したことでトムさんプレゼンツによる「ゴーゴーバーツアー」が開催されたのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る