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「あー君がイッセ君だね」
ピントが合った先に立っていたのは、先の〝めがね〟とは違った、インテり風な眼鏡を掛けたいかにもな風体の男と、そのパートナーらしき短髪の厳つい……多分女型のクロイド。そしてもう一人、ショートヘアの良く似合う大人な雰囲気を纏ったかっこきれいな女の人と、そのパートナーの栗毛の少年だった。
「まずは名乗らせてくれ。私がチームリーダーの山峰カスガ。そして彼女が相棒のミカサ。こちらのお姉さんが千川レナで、その隣にいるのが相棒のチハヤだ」
「うえー相棒とかダサいんだけどー」
と語尾を延ばして文句を垂れたのはチハヤと紹介された少年だ。
「千川レナです。イッセ君、よろしくね」
差し出された手を積極的に握り返しながら、イッセはすかさず「よろしくお願いします」と頭を下げた。
――お前ってこの手の美人に弱かったんだな。
というヨシノの戯言はこの際無視だ。するとヨシノの差し金なのか、コノハに裾をクイっと引っ張られた。上目遣いのまっさらな瞳は確実に浮気者といっている。確かに、つい今しがたコノハの腕に抱かれていたのだから、これでは浮気者といれても詮方ない。罰が悪そうに首を摩ると、くくくとヨシノに笑われた。
「それでさっそくだけど、君には私のチームに入ってもらうことになった」
「チーム……ですか?」
「そう、メクロイアのね。チームで行動しているのは知っているだろ?今回の戦闘で欠員が多く出たからね。候補生の中から、言い方は悪いが補充することになったんだよ。そして残念だが君たち候補生に拒否権はないそうだ。こればかりは上の命令だからね。申し訳ないけど強制的にチームに入ってもらう」
元々メクロイアになることに抵抗はない。それでもまさかこんなに早く自分の番が回ってくるとは思っていなかっただけに驚きは隠せない。
「あと二名、長月シュウと高宮クライ、彼らも同じチームだ」
「あの二人も……ですか」
「ふふん。噂は聞いてるよ。まず君たちには、人間関係の修復からしてもらわなくちゃいけなくなりそうだ」
修復もなにも元より仲良くなんてないのだが、山峰はそう言うと眼鏡のブリッジ部分を指で押し上げ、にたりと不敵な笑みをつくった。
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