第6話 戦闘開始
いつの間に
いやそれよりも、どうやって先回りしていたのだろうか。
男は
「そいつが重くて走れなかったか?」
「わたしはそんな重くないわよ!」
「そうだよ! この前
「だからクマと
「はっはっは。まぁどうでもいいわなぁ、そんなこと」
そこには男の仲間がいた。
追いかけてきていた二人の男だ。
「さて、あんまし時間をかけたくねぇんだ。大人しくそいつを
男は不敵に笑ったまま、スッと
二人の男もそれにあわせて
「あはは……こりゃ、最悪だわ」
三対一。
あと少しで
少女は絶望感に空笑いを浮かべ、
「逃げなさい、お
少年が言った。
少年はかばうように少女の前に立ち、目の前の男をしっかりと見
「この
その顔に
けれど、
まさしく、
それに男は楽しげに口元をゆがめ、
「へぇ、まだそれを続けんのか。おもしれぇガキじゃねぇか」
「ただのガキじゃない。未来の勇者さ」
それは少年とは思えないほどに、
「……ごめん。ありがとう」
少女は小さく、少年にぎりぎり聞こえるぐらいの声で言うと、表情を
男は組んでいた腕をほどき、寄りかかっていた木から身を
「いいじゃねぇか。
「ふっ、あいにくと
「そうかい。そいつぁ
と、男はなにかに気づいたように
少年の背後にいる男たちのそのまた背後。
その空を見ながら、男は言う。
「お前ら、後ろ
「後ろ?」
男たちがその言葉に
それはどんどんと大きくなり、というか、こちらに向かって飛んできていて……
それが人だと気づいたときにはすでに
その人物はまっすぐ男たちめがけて
「だらっしゃあ!」
「うわぁ!?」
「なんですかこいつは!?」
空中での動きとは思えないほど鋭い一撃をとっさに
蹴りを放った人物は地面を
それは少年だった。
ところどころ跳ねた茶色の
少し日に
そんな少年は、
「おいおいな~に一人で楽しそうなことしてんだよフレ~イ」
「ちょお!? なに名前呼んでくれてんだよこのバカイル!」
「んあ? なんかマズかった?」
「せっかく僕が名乗らずにいたってのにさぁ……まぁいいや、あの大きい人は僕がやるから」
「えー、そいつが一番強そうなのに~。でもま、見つけたもん勝ちだわな。いいぜ、この二人は俺らが相手する。負けんなよ」
「負けないよ、勇者だもん」
「だな」
なんて流れるように会話を終わらせ
「俺はあいつと……うん? あいつどこ行った? ……まぁいいや、フレイたちの
キョロキョロと
それに
「
「なにを乗せられてるんですか、まったく……第一ツッコミどころもずれてますし、なにを名乗ってるんですか」
となりにいた
「名乗りには名乗りで返すのが
「ああそうですか」
当然とばかりに言ってのけるキロテラに、クリュトスは「なに勝手に名前をバラしてくれてるんだ」と
「あの身のこなし、ただ者ではありません。気を引き
「ああ。オイラたちに
二人の男が構え、それを見たカイルは不敵に笑いながら剣を
それは身の
子供には
「勇者祭の準備運動に、フィオレ
「ガキが、なめんじゃねぇっすよ!」
「身の
叫び
そんな彼らを
「向こうは
男は首をならして、どこか
それだけの自信と確かな実力が、男にはあるのだろう。
少年はしばし
「……名前言われたし、別にいいか」
ため息混じりに
「僕はフレイ。カイルと同じく、勇者を
「俺はループスだ。しがない
「ループスね。おぼえとくよ」
言いながら、腰のベルトに取りつけた
普通の剣より
まるで
「それじゃ、
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