第4話 逃亡
外は店内以上に
辺りは人で混み合い、空から差し込む
それほどまでに四年前の
それもそのはず、あの試合はまさしく、
初戦で前大会準優勝者を、決勝で前大会
これはまさしく伝説の
その
「今年も出るらしいな、
「なんでもパーティ含め、全員
「へぇ、あの人らもう
「ってことは、ガイ様を
「
「ばっかおめぇ、女で言うならシルヴィアさんよりユウナさんだろ。一度でいいからあの冷たい
「射貫くといったらゼファー様よね。正確
「
「その
「職人気質といやぁサニーちゃんもだよな。あの子がいるからこそ全員が全力で戦えるってもんよ」
「ああ、今度はどんな伝説をみせてくれるか楽しみでしょうがねぇぜ」
なんて、勇者パーティの
「おお、セシルさんたちの話でいっぱいだ……!」
その話題に混ざりたいのか、うずうずと
なかには勇者パーティの
少年はその少女を
「…………」
その
それを
「目立つことしないでって言ったでしょ? ……っていうか、
「グリードさん?」
と、少年が
「あら、よく知ってるわね」
意外そうに言う少女に少年は
「そりゃあね。
「へぇ」
少女はどこか
「……あれ? 外に出るのって危ないんじゃなかった?」
ふと、思い出したように少年が言った。
少女は先ほど、
なのになぜ外に出たのかと、
少女もまた人に流され、
「ん~? まぁ、そうなんだけどね。でも確かめとかないと、いざというとき
「ん? 確かめるってなにおぉぉぉぉ!?」
なんて、少年は
少女はあきれたような顔で人混みに
「まったく、なに
「ご、ごめん。ありがと……こんなに人がいるとこ初めてで……」
少年は
少女はこれからのことを考えてか
それから人の波に
二人は
「さて……じゃあ、わたしを
しばらく路地を進み、
「え? ……まぁ、いけると思うよ」
「その間が少し気になるけど、ちょっとやってみて」
少し考え込むようにして答えた少年にうなずくと、少女はその場で両手を広げる。
少年はその
「あ、君けっこう軽いね 」
「え、そ、そう? まぁ、たまに運動みたいなことしてるし当然かしらね」
担ぐってほんとに
「うん。この前
「クマなんかと
クマと重さを比べられたことに対する
変にムシャクシャとしてなんともいえない顔を浮かべる少女に気づくこともなく、少年は首だけで振り向き、
「それで? 確かめたかったのってこれのこと?」
振り向いたところで表情は見えないためか、少年は
少女はどこか
「……まぁ、これも知っときたかったけど、
少し
「んー、どれだけって言われても……」
「建物の上、走れたりする?」
「え~? どうだろ、ちょっとやってみる」
と
気づけば少女は
そしてあっという間に少年は
少年はふぅ、と小さくひとつ呼吸すると、ふむ、となにかを確認するように足を踏みしめ、キョロキョロと辺りを見回し……
「……ちょっと」
「ん?」
と、その声に
少年はどうしたのかと
「確かに建物の上走れるかって聞いたけどねぇ……いきなりこんな
「ええ!?」
建物の上を走るには建物の上に
確かになにも言わずに
少女は
そして
「……でもまぁ、こんだけ動けるなら
「そうだね。こんなことしてたらすぐに見つかっちゃうよ」
「こんな
「そうそう、こんな風に…………え?」
声の方に振り向けば、男が立っていた。
こちらと同じように、男たちが建物の上に立っていた。
それはおよそ一時間前にあったばかりの三人組。
そいつらは
「って、もう見つかっちゃってるじゃない!」
少女は
「早く走って!
「逃げるってどこへ!?」
バシバシと背中を
「えーと……門の方は人が多いから……あっち!」
「
「姫様言うなッ!」
少年は人ひとりを
やはりただ者ではなかったと確信し、男は
「……姫様、ね」
「どうするっすか?」
「追うに決まってるでしょう。ですよね?」
「ああ、
『了解っす(です)』
二人同時に言うと、
しかし、指示を出した男はその場から動くことなく、どんどんと遠ざかっていく二人を眺めていて……
そしてふと、その背中から
「……にしても、こいつは少し目立ちすぎか」
通りの方から、結構な数の視線を感じる。
見下ろせばすぐにでも目が合うだろう。
なかには知ってるやつや
「祭り前のイベントだと思ってくれりゃあいいんだが……」
そうでなければ思わぬ面倒ごとを引き
男はダルそうに頭をかき、
「とりあえず、急がねぇとな」
ため息混じりに呟くと、
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