第二章
「…………しーろーい!何も見えないじゃない!」
「レイナ、そこまで焦らなくても……」
僕達は、この想区らしきところから出るために、出口を探していた。
「………あっ、そう言えば……」
「なんだ?シェルの………」
「……シェインさんと同じで、姉御がいいです!何か、響きがかっこいいじゃないですか?」
「……んじゃあ、シェルの姉御。何か思い付いたのか?」
「……いえ、……ガサゴソ…テントがありました。」
「「「「はやくそれを言(ってよ!)(ってちょうだいよ!)(えよ!)(ってくださいよ!)」」」」
僕たち四人は大声で叫んだ。
「………す、すみません。」
そして、僕とタオで、僕たちが今立っている『何か』に、テントを張り始めた。
「おい!坊主!そっちお願いだ!」
「任せて!」
料理をしている女子三人組がちらちらこちらを見ていた。……のには気づいていた。
「何か………熱いですね。」
「まぁまぁ。何かに燃えることは良いことよ。……最もそれが、変な方向にいかなければいいけど…」
「レイナさん。考えすぎじゃ……」
「シェルは人がよすぎ!」
そんな会話が聞こえてくる。僕たちも、そろそろテントを張り終えそうだった。
クルッ クルッ
「ヴィ、ヴィラン!?また、何でここに!?」
「エクス!そんなの考えるのは後よ!」
「ちょっと、間が悪かったですね…」
「おしっ!飯前の腹ごしらえと行こうぜ!」
タオのその言葉を合図に、僕達は、変身しはじめた。その時。
「あっ、あのっ!」
シェルが大声をあげた。
「……わ、私も、変身。で、出来ます、かね?」
シェルも変身したいと言い出した。
「レイナ、導きの栞は…」
「………今日は予備を持ってない。」
「……じゃあ、私……素手で戦います!」
後で危ないので剣を持たせました。
「じゃあ、シェルは危ないから、シェインについててね。シェイン。頼めるかな?」
「新入りさんだから嫌です。」
「じゃあ、俺のところにつかせるか?」
と、タオが言うと……
「じゃあ………シェインのところでいいです………」
ニマニマニマニマニマ
僕とレイナで、シェインを微笑ましく見守っていると、シェインがこちらへ歩いてきて…
チュドン
「あ、すみません。間違えました~」(棒読み)
魔法を打ってきた。
「まぁ、落ち着いて……ね。」
クスクスクス
……シェルにまで笑われた。
「おい。坊主………数が……極端に増えてないか?」
「あら、タオは怖じ気づいたの?腹ごしらえじゃなかったのかな?」
レイナがタオを挑発する。
「……わかったよ!やってやろーじゃないか!エクス!シェイン!行くぞ!」
タオが熱くなった。
………シェルの援護もあり、なんとかヴィランを倒しきった。
「へっ!どうだ!お嬢!」
「……凄いわね。見直したわ。」
「おうよっ!」
「じゃあ、ご飯を食べよう!」
そして、僕達は、ご飯を食べはじめた。なぜ、こんな白い場所に食材があるんだって?それは………
「でも、シェルがちょうどいい食材を持ってて助かったよ。珍しくシェインも楽しそうだったし。」
「いえいえ。一人でいると、食材の減りが遅いので。」
シェルの荷物は色々と入ってるんだと実感した今日ころごろ。
「………ふいーっ。もう、食べれねー。」
「美味しかったよ。ありがとう。レイナ。シェイン。シェル。」
僕たちが誉めると、レイナたちは顔を真っ赤に染めてうつむいた。
「ちょっと、レイナ?どうしたの?」
「おい。シェイン。熱、ねぇだろうな。」
それを、シェルは、黙ってみていた。その時、シェルの口角がニイッっとあがったことを、僕達は、誰も見ていなかった。
「今日はもう寝ましょうか。皆さん、お疲れのようですので。」
「そうだね。じゃあ、女子はこっちのテントで、僕達は、あっちのテントで寝るよ。」
「じゃ、解散!」
そして、僕達は、テントに向かった。
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その頃、女子たちは……
「ねぇ、シェインさん。話が…」
「何ですか?」
「ここでは、話しにくくて……」
「シェルぅー?シェインー?どうしたのぉ?」
「姉御ぉ!ちょっとシェルと話してきますぅ!」
「じゃあ、先に寝てるわねぇ!」
そう言って、レイナはテントに入っていった。
「じゃあ、行きましょうか。」
後ろからついてくるシェルの口角がニイッっとまた、あがった。
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少し歩いて、白いそこに座るシェルとシェイン。
「それで、話って何ですか?」
「……あの、私……」
「タオさんが好きになったんです!」
突拍子も無いことをシェルから言われ、シェインは呆然としてしまった。
「なっ………何てことを……」
「私………本気なんです。だから、シェインさんにも、協力……してもらおうと思って……」
「そんなのだめです。」
シェインが、怒りの気迫を出しはじめた。
シェルが後ずさる。
「そんなのだめなんです。シェインは、タオ兄をずっと………」
そこで、シェインの言葉が止まる。横にいるはずのシェルが、シェルじゃないように思えてきた。シェインは、立ち上がって、こう叫ぶ。
「……あなたは、誰ですか!あなたは、シェルじゃない……誰ですか!」
「ぅん?私は、シェルだよ。」
「だけど………」
シェルが何か言おうとしたその瞬間。シェインの足元に、黒い魔方陣が出現した。
「あ***ち**き**ね。」
シェインは、黒い魔方陣に吸い込まれた。
???「ふふふっ。まずは、一人。アッハッハッハー!」
謎の笑い声が、暗闇を包む。
それは、一晩中、なりやむことはなかった。
「……んん?シェイン?」
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「おはよう。タオ。」
「おう。坊主。」
テントの外に出ると、レイナが呆然とそこに立ち尽くしていた。
「………助けて。」
「レイナ、どうしたの?」
「助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!助けて!」
パチン
「おい、お嬢。落ち着け。」
「ぁ、ぁぁぁ。」
「お嬢。何があった。」
「シェインが、いないの。」
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