第1008話
「師匠ぉおおおおおっ!!!!」
ようやく口に出せたその言葉。
それと共に、ノエルは理事長室を訪れた朝倉に飛びついたのだった――。
「おいおい、大げさすぎだろ。いや、連絡もなしに帰って来た俺も悪かったけどよ」
「師匠ぅうっ!! 師匠ぉおっ!!」
「なんだよお前、寂しかったのか? ったく、弟子取ったからもう師匠は要りません、なんて言ってたのに、ありゃ嘘だったのかよ!!」
「じゃなくって、じゃなくって――あぁっ!!」
「じゃなんだよ?」
涙でぐしゃぐしゃになったノエル。そんな彼女を、包容力の無い胸の中に抱きこんで、朝倉はよしよしとあやしてみせる。
薄い胸からは確かに――その心臓の鼓動が聞こえて来ていた。
「……お、おかえりなさい!! 師匠ぉっ!!」
「……おう。ただいま」
師匠と弟子。
やっぱり、二人揃っていなくっちゃ、厨二病は始まらないし終わらない。
よく分からないって?
仕方ないさ。
ノリと勢いと不条理を捻じ曲げて格好良く片付ける。
そしてどこまでもご都合主義で笑えるもの。
それが、厨二病というものだから。
【厨二病の弟子 劇終】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます