第825話

「……まず第一に、師匠にはパラケルスス老人を殺す動機がない!!」


「ありますわよぉ!! 一番弟子なのに、二番弟子の朝倉さんばかりちやほやするパラケルスス老人に嫉妬していましたのぉ!!」


「……むむむ、けど、どうやってパラケルスス老人の部屋の中に?」


「愛人関係でしたのよぉ!! だから、合鍵を使いましたのぉ!!」


「……し、しかしアリバイが」


「ありませんのよぉ!! その時間、私が何かをしていたというアリバイはありませんのぉ!! もう後は、捜査の手が及ぶだけ……そんな緊張感に堪えられなくなってしまいましたのよぉ!!」


 なんとかして、師匠の無実を証明しようとするカミュ。

 しかし、それを全力で否定してみせる師匠の南条。


 さめざめと泣く南条の姿は、刑事ドラマのクライマックスばりのすごみがあった。

 どっかの師匠と比べて、こちらの師匠はノリノリである。


 そして、地の文にもツッコミを入れない、この安定感である。


「いや、それが普通だポン。特別編だからって、いつもいつもふざけ過ぎだポン」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る