第814話
「さて、流石に元大陸最強が二人も揃っては、お主も分が悪いのではないか、フラゥコン?」
「魔術の深淵、もう少し、見せて貰おうか……監獄の中でなぁっ!!」
「……ふむ。いささか、貴殿たちのことを侮っていたようだ。それは認めよう」
直に、現大陸最強である南条も、魔法協会の通報を受けて駆け付けることだろう。
逆境を悟った鉄柵の仮面の魔術師は、切断された自らの手を、魔法の糸で縫い合わせると、朝倉達から一歩退がって距離を取った。
逃がすか、と、さらに距離を詰めようとする朝倉だったが。
「ふむ、しかし。手首一つで、貴殿らの気が引けたのなら、それも安いもの」
「
後ろから聞こえたのは、ハーボウの声。
それに遅れて、もう一つ、はぁい、と、聞き覚えのある声が朝倉の耳に届く。
すっかりと忘れていた。
仮面の集団の数のことを。
そこに立っていたのは、山羊の仮面をつけた魔法使い――レオナル。
「形勢逆転、という奴ですね」
「どうするかしら? 現大陸最強が来たとして、三対三。痛み分けで終わる気がするのだけれど――それでもやるつもり、元大陸最強のお二人さん?」
一転して絶体絶命。
朝倉たちを取り囲む仮面の魔法使いたち。
しかし――。
「いや、今は退こう。ハーボウを取り返せただけで、戦果としては十分だ」
そう言いだしたのは、鉄柵の仮面の魔術師――フラゥコンであった。
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