第787話

 思ってもみなかった展開に唖然とする朝倉。

 まさか、仮面の集団の方から、自分に接触を図ってくるとは――。


 彼らに接触を図ろうとしていたのは間違いない。

 だが、心のどこかで、会えるはずがないと思っている自分も居た。


 そんな状況で、いざ実際にそのチャンスがその身に降りかかって来た。


 だが、彼女の表情は固まるばかり。


 どうしてフクロウ面の者が、この場に姿を現したのか。

 その理由が分からないのだ――仕方がないだろう。


「……驚かれているようですね」


「あぁ、こっちはアンタ等が接触してきてくれるのを、これでも待っていたんでね」


「……なるほど」


「どういう意図で出てきたのか教えてくれると助かるんだがな。このまま、一戦交えるのは、俺としても本意じゃない」


 びりびりと、体を襲ってくるフクロウ面の女魔法使いからの殺意。

 それに対して、気後れをしながらも――そこは元大陸最強。


 毅然とした態度で、彼女は目の前の仮面の一味の一人に啖呵を切ってみせた。

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