第754話

 ここは学校の三階。

 大の大人が四人から五人分の高さの位置にある教室だ。


 そんな場所から落下したら、そりゃ、結果は言うまでもない。


 おそるおそると、パラケルススが朝倉が落下していった窓の方へと足を向ける。

 窓からそっと下の様子をうかがって、うわぁ、と、青い顔をした。


 さきほどまでうるさくなっていた、ゴッドなる父のテーマ。

 それも、いつの間にか鳴りやんでいる。


 どう収集をつけるのか。


 この作品の中で、もっとも頼りになる男――パラケルスス先生は教壇へと戻ると、すっと背筋を伸ばして教室の生徒に向かってこう言った。


「今日は、皆さんに悲しいお知らせがあります」


 お知らせあり過ぎだろう。


 そして、知らせてもらわなくてもだいたい想像はつくよ、と、沈黙する生徒たち。


 ただ一人、ノエルだけ。

 一本だけでは足りなかったのだろう。

 二本目のバナナを手にして、もしゃりもしゃりと幸せそうに頬張っていた。


「あぁ、バナナ、美味しい」


 なんだこの話。


 どっとはらい。


 来週は、真面目にやります。

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