第751話

 世紀末スタイルでバイクにまたがって現れたのは、女番長。

 ――ではなく、白学ランにサングラスのいかした金髪ロンゲ。


 朝倉のやる気のなさと対照的に、どんな時でも元気いっぱい、南条さんであった。


「よろしくってよ、よろしくってよ!! 番外編でも気を抜かない、手を抜かない、全力で取り組むのが私でしてよ!!」


 これまた頼もしいお言葉である。


 こほん、と、ヒャッハーなんて言って校庭に入って来たくせに、咳ばらい。

 かしこまった南条は、その黄金の髪を振り乱して叫んだ。


「出て来なさい朝倉さん――じゃなかった。出て来い朝倉!! どっちが、この厨二町最強の番長か、決着をつけようじゃないか!!」


 番長。


 ばんちょう。


 バンチョウ。


 そんな言葉がクラスの中に満ちる。

 そして、視線は嫌がおうにも、朝倉に集まっていた。


 まさかこの転校生が番長だなんて。

 そういうのが嫌で、他の学校から逃げて来たのかしら、と、ここはヒロインが気を揉むところである。


 しかし。


「いやー、ホームルーム中に食べる、朝食のバナナの美味いこと美味いこと」


 ノエルさん。

 ちゃんとヒロインしてください。


 なに少し前に終わった、アニメのヒロインみたいなことしてるんですか。

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