第746話

「ふぉっふぉっふぉ、みんな、揃っておるかのう」


「――先生、ノエルがまだ来ていません」


「ポン、またかポン。ノエルの遅刻ぐせは、いつまでたっても治らないポン」


 ノエルの通う学校。

 そしてそのクラスのホームルーム。


 年季が入った担任教師――パラケルスス先生(英語教師)の問いかけに、彼女の友達たちが庇うようにその不在を告げた。


 例によって、カミュとポン子である。


 今回は普通の配役に、ちょっと安心している感のあるポン子。

 ご機嫌にふんふんふんと鼻を鳴らしている。


 対してカミュはといえば、番外編だというのにあんまり変わらない。


「――まぁ、やることはそんなに変わりませんから」


 できた弟子、あるいはできたキャラクターである。


「なーに、あの元気娘のことじゃ、すぐに扉を蹴破って教室に入って来るじゃろう」


 頼もしさで言えば、このパラケルススの堂々とした感じも、十分に頼もしいが。


「というか、ワシが学ラン来て恋人役やったら、流石に絵にならんじゃろう」


 いやいや、そんなことは……。

 パラケルススさん、お気遣いありがとうございます。

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