第730話
一方、こちらは山奥に引っ越された、元大陸最強の朝倉さんの工房。
「だからノエル!! お前、肉ばっかそんな食うなって言ってんだろ!!」
「ノエルは成長期なんです!! 動物性たんぱく質が大事!! 成長には欠かせないんです!! 師匠のように、止まっちまった悲しみに暮れたくないんです!!」
「どこの何が止まっちまったってんだ!? あぁん!!」
王城とは打って変わっての野蛮なやり取り。
肉は肉でも、こちらはノエルが修行の途中で捕まえて来た猪の肉。
そして、山菜、キノコを持ち寄ってバーベキューが行われていた。
肉を巡って激しく暴れる師弟。
それを横目に、ギムレットがどぶろくを飲む。
「このぉっ!! その肉は俺が育てたんだよ!!」
「師匠が育てた肉を弟子が食う!! これぞまさしく自然の摂理!!」
「摂理じゃねえ、自分で育てろ、このバカ弟子!!」
「やだぷっぷー!! 久しぶりの焼肉なんですから、無礼講ですよ師匠!!」
「んだこら、ぶっ飛ばすぞこの野郎!!」
「――騒がしい奴らだな、本当に」
どうして一代違うだけで、ここまで師匠と弟子の関係が変わってしまうのか。
はてさて、なんにしてみたところで、いろんな師弟関係が世の中にはある訳で。
これはこれで、当人同士にしてみたら、幸せなのかもしれません。
「あっ!! あんな所に空飛ぶハラミが!!」
「飛んでる訳ねえだろ!! つくならもっとマシな嘘つけ、この間抜け弟子!!」
どっとはらい。
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