ジャン・バルジャンと師匠

第669話

【前回のあらすじ】


 不死にして災厄の魔術師「ジャン・バルジャン」。

 死亡すると同時に強制的に転生するという禁術「強制輪廻」を持つ狂気の魔術師。


 そんな彼が、厳重な監視の下にありなら死亡したという一報が朝倉の元に入った。

 急いで収監先の監獄――シャトー・ディフへと向う朝倉師弟。


 監獄の最奥。

 地下四階で待っていたのは、時限式の自死魔法で死亡した、ジャン・バルジャン。


 そして、その魂を強制的に禁術により書き換えられた、監獄長であった。


「大陸最強――弟子をとってその名も色あせたか? 強制輪廻は何も、胎児ばかりに生まれ変わるものではないぞ」


◇ ◇ ◇ ◇


「さて、山羊の悪魔レオナルに習って私も名乗ろうか。我もまた、この世界に新しい秩序を求めんとするもの。善良なる罪人ジャン・バルジャンにして、黒曜石の魔法使い」


山羊の悪魔レオナル――あの食人植物の魔法使いの仲間か」


「いかにも!!」


 そう叫ぶや、壁に埋め込まれた魔法使いたちが、一斉に目を輝かせる。


 その獰猛な瞳は、朝倉とノエルを捉えていた。

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